これは、救いの物語。
課された運命なのだ。

わたしは、一度生きた世界を壊した。文字通り破滅させたのだ。英雄となったらしいその後は、色々な世界で崇められる存在へなることが出来た。

英雄。わたし以外にもう一人。同じ世界を生きた親友であり、ライバルであり、最期はわたしが殺した。

「…ありがとな」

今でも焼き付いた彼女の笑顔をわたしは一生忘れない。そして背負うのだ。

神からの命を

世界を破壊したのなら、世界を救ってみせろ


平行世界などではない異世界に何度飛ばされただろう。仲間と共に生き守り抜いてきた世界が、わたしの記憶にある。救ったあと、本来のわたしの仕事は無くなるわけで。消滅しちゃうんだろうなあ、って思ってたけど。どの世界のわたしも元気に生きているみたいだ。
何て不思議なんだ。魂はひとつしかない。それで輪廻だって自分で回っている。
死ぬことを許されない。そう、わたしが死んでしまえばせっかくのイレギュラーがいなくなったら世界は辿るべき結末になってしまう。その終わりが幸せだったらいいのに。わたしが喚ばれるのはいつも後がない未来の世界だ。


だから生き抜く。大切な者達を護っていく。失った欠片を探しながら、わたしは今日も生きていくのだ。


ねぇ、ティド。
今度もまた仲良くいられたらいいね。


まだ見たことない先を夢見て、
―――・ローレイン








「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -