これからの行く先を考えてみる。手を開いたり閉じたりしてルフに語りかけようともしてもなかなか表れなかった。何だ、反抗期か。親の言うことが聞けないのか。ピィピィと泣く割にわたしはルフとはお友達にはなれてないらしい。銀色のルフは飛んでいてもアラジンの周りを飛んでいたのとは色が違った。アラジンのは綺麗で真っ白だった。黒くもないわたしのルフ。まるで中間の色だ。グレーよりは格好いいのかな、なんて。



「…暇だ」



ジャミルには間違いなく目は付けられた。だからあの町には居られない。のうのうとあそこで暮らしていれば、今頃処刑になっていたはず。危なかった。判断力には長けている。
モルジアナ。あの子とはもう一度会える気がする。運命かは不確かだけど、勘で。
腰にあるポーチ(もどき)からパンを取りだしかじる。素朴な味だ。しかも乾燥していてか口の中の水分が根こそぎ取られていきそうな。げほ、と咳き込む。次に水を含めば緩和された。わたしは水魔法も使えるから水の供給にはそんな困らない。へへん、と鼻息荒く見せつけるが生憎誰も見てはいなかった。


木に凭れながら休眠をとることにした。寝ることは大事だ。右目にある眼帯を外し眺める。金色に輝いている八芒星が目立って見えた。わたしのちからの源。視線を胸元に変え自分の胸を見る。変な意味ではない、断じて。昔からわたしの正確には心臓辺りの肌に四つの石が埋め込まれている。朱、蒼、碧、白。先の空間でウーゴくんが言っていた四神。東洋の世界で崇められている神だとか。外見は動物なのにね。何だかんだ色んな旅をしてきて、彼らはわたしに力を貸してくれる。前に一度だけ神そのものの力を手に入れたことだってある。特に風の白虎は旅の相棒みたいなものだ。安易に召喚してしまえば虎を引き連れてるものだから周りの目はきつくなる。彼らは絶対を誓う存在。故に幾多の生を歩んだわたしと同等であるのだ。




「ずっと一緒に、いようね」



微睡みかけた意識の中、思考力も低下していった。たまにはいいよね。おやすみと呟いて、星が瞬く頃にきっと目は覚めるだろう。



『―我らが愛しき、ソロモンを照らす光よ―』









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