やっと出てきた答え。そうリルラは旅立つ。アラジンと離れるのだ。これが正しい道であり選択。



「リルラはどこに行くんだい?」

「大まかには決まってないけど、とりあえずはここを抜けないとなにも始まらないよね…。だから、アラジン」



わたしは旅を続けようと思う。きみと行きたいのは山々だけど、今がその時ではないし、まだ幼すぎるから。



「だから、世界のことを知ってまた会おう。必ず今よりも大きくなって。わたしときみだったら運命がまた巡り合わせてくれる」


唖然とするアラジン。いきなり告げられた言葉は理解しがたく、心には上手く届かない。どうしてと掠れたように出た声でさえ消えてしまいそうで。リルラのルフが迷いないことを感じると悲しそうに笑うしかなかった。アラジンの笛の八芒星が光っていた。リルラはそれに気付き、深く礼をするのだった。

偉大なる王よ、更なる道を進めと。



「――またね、だよ。」




例えるなら空虚。ぽっかりと穴が空いたようだ。僕はこれからどうしたらいいんだろう?一人で、いかなくちゃいけない。リルラの言う通り僕は知らなくちゃいけない。そうだ、別れなんかじゃない。そうだよ、僕らはいつだって。




「きみに認めてもらえるまで僕は僕であり続ける」




言ってふと疑問を感じた。自分が何者かもわからないのに、まるでわかったようにアラジンは口にしていて。無意識なのに出た言葉は認識しがたい。でもわかった、とリルラは微笑んだ。あ、綺麗だ。



「王よ、わたしは誓います。必ずや貴方と共に在りますことを」




ここに。

碧くなった眼にアラジンは驚くもなんとなくそれが誓いであり契りであることはわかった。





「…、うん。じゃあ行こうかな…――風よ、」



少女と少年は旅立つ。まだ見ぬその先へ。自らの力を信じ、運命を受け入れて。










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