「絶対死んでたまるか」
そう強く言ったなまえに共感するエレン。巨人なんかに負けない。勿論、同じ人間にだって。誰よりも強くなって、最強になって怖いもの知らずになって。
立体機動装置は置いてきたので二人は簡素な格好をしていた。ある月明かりの夜にこうして集まる。毎日の反省をしているらしい。ガスをもう少し節約して移動出来ないかとか、替刃には限りがあるから一本一本を大事に使わなければとか。毎日、聞かされるエレンは飽きることなく相槌を打つ。目標を持ってそれをいかに反省するかは大事なところだ。例え、なまえにそこまで技術が無かったとしても、座学でそんなに成績が良くなくても、こうして反省することで次に繋ごう。そう思っている。
「強くなりたいって、大事なんだね」
「ああ。なまえだってそんな弱くないのに何をそんな努力するんだ?」
「エレンと同じだよ」
「え?」
「強さは違っても志だけは同じでいたいんだ。エレンと一緒にいてエレンを理解する。それがわたしの永遠の目標」
「…俺を理解する?」
「うん。わたしはエレンをもっと知りたいし、傍にいたいよ、…だから」
「ちょっ、なまえ!」
「ん?」
「今なんて…言おうとした?」
心臓の音は速度を増す。隣にいる少女は自分を慕ってくれてるのかと。自惚れてもいいだろうか。エレンはひとり唾を呑む。
「エレンのことが好きだよ」
「…!」
「だからわたしは頑張る。エレンと一緒にいたいから、絶対死んでたまるかって。あ!それだけじゃないけど、わたしにとっての一番は変わらないよ」
「俺だってそう簡単に死ぬもんか。なぁ、なまえ。生き残るぞ、これからも。勝って、巨人のいない未来で。」
叶うといいな、何年経ったって君とならどこまでも行ける気がしたから。
エレンを強く信じた。