[生徒会長 赤司征十郎、]
「はい」
完璧な存在で、それと皆を黙らす圧倒的な威圧感を出しながら全校生徒に告げた。
この学校においてオレに逆らおうとする奴は容赦しない
生徒会長に就任したときスピーチで全員に言い放った言葉。誰もが従った。誰もが頷いた。全てにおいて勝利しているオレの命令は絶対だ。拒否権なんて与えない。辞めたければやめて逃げてしまえばいい。弱い者など最初から必要ない。周りはオレを何と呼ぶだろうか。横暴でも何とでも言え。
教師たちは俺の親がお偉いさんなのか見事に従った。これで誰も逆らうものはいない。
ある日の議案会議中、見慣れない生徒が生徒会室にやってきてオレが出した案に質問や要望やらをめためたに出してきた。
「あの、風紀が生徒会の下に配属されるのはおかしいと思います。普通なら同等にあるか、支える立場、生徒会を抑制する立場にあるとわたしは思います。だから、考え直してくれませんか?」
「全てを決めるのは俺だ。君一人の力で俺の決定権を変えようだなんてやめた方がいい。なんなら署名でも集めたらどうだ?…そう簡単には集まらないが、」
「罰があるからですよね。…、わかりました。失礼します」
まっすぐ見るその目はオレを試してるかのようで。でも別に時間を要することなく解決させたのをみるとそいつは悔しそうに立ち去った。
最後に呟いた言葉はばっちり聞こえたよ、「異常者」ってね。あの目には些か何かを感じた。
試してるんじゃない、あれは反抗をしているのだ。
絶対といったオレに対してせめてもの、小さな反抗。
途端に胸の奥から沸くものがあった。これはきっと興味。反抗する者には罰を与えよ、とオレの中がそう言っていた。
「…面白い。」
確か、彼女は名字名前
興味が湧くと言えばそれはそれは他のことにも集中できないわけで。ああ、早く会ってどうにかさせたいよ。名前――
―今になってそういえば、と手元にある傘をみてどういう口実で会おうかなんて悩まずまっすぐ会いにいけそうで思わず笑みがこぼれた。どんな風に返そうか。