まるで見てはいけないものをみている気分だった。感じるのはとても言葉で言い表せないくらい醜い。醜悪、のような。違う、きっと嫉妬。集が他の女の子を抱いて、――例え闘うためであっても悔しかった。 「…」 ヴォイドゲノムを刺してしまった集は意識ここにあらずといった感じに止まっていた。何をしているんだろう。近くにはいのりがいた。そして時間が経ったと思ったら急に人が変わったように勇ましい姿が見えた。集がいのりの胸の部分正しくは心臓部位だろうかの定かではないが、確かに手を入れていた。受け入れ、沈みこんでいく。いのりは苦しそうに喘いだ。痛みとか感じるのかな。 「大剣…!」 取り出し上へと掲げ光と共に現れたのは大剣だった。どうして彼女のヴォイドは剣なのか。 覚醒されし、王の君臨ね まさしくその通りだ。桜満集は常に選択をしている。拒むか受け入れるかは自由。集は自らヒーローになったのだ。 集に攻撃しようとすべくエンドレイヴが何体も彼に向かった。危ない、と言いかけたがどうやら剣は盾となり、エンドレイヴが銃を撃つ間にも集は叫びながら決心づいたように走り、それを真っ二つに切ったのだ。 「…」 見ているだけの傍観者とその日はなった。桜満集は此処から変わっていく。 善くも悪くも、いのりの心を使い、友達を武器にして闘う、 それはきっと集が戴く罪の王冠となるだろう。 ギルティクラウンの始まりは此処から。 |