何を間違ったのか、だれが正しい方向に導いてくれるのか。
王様は民と向き合っているのか。甚だ疑問しかわかなかった。
##NAME1##が通う学園、帝光学園には絶対王政といってもいいようなカースト制度があった。歯向かわなければ平穏に暮らせる。進学や就職先にだって困らないような学園であっても、3年間をそこで過ごすのは息苦しさしかない。
いっそ私も彼に服従したほうが楽なのではないか、と考えてしまうほどに彼の影響力は大きい。
靴音をなるべく鳴らさないようにする歩き方、その上履きは薄汚れていた。信念を貫かんとする両の蒼い目に、傷の見える足、片側だけ切り揃えられた髪は##NAME1##の異様さを表していた。どうしようとも思わない。ただ進むだけ。それでも私にかかる声は止まらない悪意あるもの。

「なんでまだいるのよ」
「はやくやめてくれればいいのに」
「赤司さんも迷惑に思ってるよね」

友人などいない。##NAME1##に友人がいるとなれば、その人も標的になってしまう。##NAME1##自身もすすんで作ろうとは思っていなかった。
心を強く保てば乗り越えられると信じて。

「さすが赤司様ってね」

皮肉をこめて笑ってやった。私の言葉など誰も聞かない。味方なんていらなかったはずなのに。
――――私に手を差し伸べる騎士がいた。

王に使える者が全員彼に従うわけではない。従者となるものは六人ほどいるのだが、難色を示しているものもいるようだった。
水色の髪をした、少し影の薄い彼−黒子テツヤは##NAME1##の味方でいた。

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