「ん…」

なんかあったかい…。

まだ眠いけど意識を起こして感じると、どうやら私は何かに抱きついていて、私も包まれるように抱きつかれているようで。

目を開けると見なれない白い着物。誰?

そっと顔を確認したら、一気に目が覚めた。

「あ」
「さ、さどっ!?」

急いでサドから離れる。

「なんでィ」
「お前が何アル…」

昨日に記憶を巡らせると、思い出した…

「昨日の夜は、迷惑かけたアルな」
「思い出したのかよ」
「うん。その、ありがとうアル。すごい安心したネ」

コイツに礼を言うとつけ上がりそうだし、なにより恥ずかしいけど助けてもらったわけだし…

「へェ、そうかよ。よかったじゃねェか」

意外にもすごい優しく微笑まれてびっくりした。

「うん…」
「にしてもチャイナ帰らなくていいのかィ?」
「え?」
「旦那に気付かれたらヤバくねェ?」
「え、あぁ…まだ大丈夫だと思うアル。寝てるだろうし。まぁ起きててバレても外に出てたことにすればいいネ」
「アンタパジャマのままだし無理矢理な話だけど、まァいいか。じゃあ送ってくぜィ」
「え、いいネ!一人で帰れるアル!」
「別にいいだろィ」
「…うー、ありがとアル。なんかサド優しくて怖いアル」
「別に何も言わねェよ」
「うん…」

そんなサドの様子に自然と顔がほころんでしまう。


********


見せたくないようで俯いているが、嬉しそうに口角を上げて頬が少し赤くなってるチャイナが可愛すぎる。
食べちゃっていいですか。

俺が優しくするとチャイナもデレるのか…
損なことしてたなオイ。

なんかこのまま帰すの勿体ない。

だが俺たちには結構な進歩なわけだ。よしとしよう。

「じゃあ俺ァ着替えるから。ちょっと後ろ向いとけィ」
「え!う、うん…」

顔を赤く染めて急いで後ろを向く。

「にしても私寝間着ネ…なんか沖田だけ狡いアル。お揃いってことで沖田もそのままの寝間着で行くヨロシ」
「断る。」

何気に沖田って言われてるしお揃いとか…って思ったけど流石に踏み止まる。

「んだヨ〜じゃあ私だけパジャマかヨ。二人で行けば怖くないアル!」
「だから断るっつってんだろ」
「うぅー」

不満気に口を尖らせる。自然と息遣いが荒くなりそうだ。

「ほら行くぜィ」
「うん」

チャイナは上機嫌でついてくる。

「ねぇサド、なんかホント優しいアルな?」
「そうかィ」
「そうアルヨ全然違うネ」
「知ってらァ」
「なんでアルか?」

いつもチャイナには優しくしたいけどな

「油断させて倒すためでィ」

にやりと笑ってやるといつものように掴みかかってくる。

する前に予告したら意味ないことに気付かないのか。

「そういうことかヨ!!」
「当たり前だろィ」
「なんか感謝して損したネ!」

やべ、言いすぎた…
そんな風に思われるのは不利だ

「な、んなわけないだろ。冗談だよ」
「え?」
「…ただ優しくしたかっただけでィ」
「嘘が下手アルな」

照れたように笑うチャイナ。
可愛すぎて思わず抱きしめようとしたら、チャイナが何かを発見して俺をすり抜けた。

「銀ちゃん!」
「お前…何してんの?寝間着で」
「いろいろあったアル!」

さっさと旦那に向かうチャイナが憎らしい。
やっぱ俺ァ旦那には叶わねェ?

「なんかコイツ世話になったみてぇだな」
「いえいえ。くそガキの相手は大変でしたけど。」
「クソガキはお前ネ!!」
「はいはい。喧嘩は大概にしなさい。俺は行くところあるから早く家帰って着替えろ」

すたすた歩いてく旦那。チャイナも万屋に向かうのかと思ったらこっちを振り返ってきた。

「ま、世話になったアルありがと!私今日みたいな沖田のが好きアルヨ!!」

…え?

チャイナはあれ?と疑問符を浮かべて、そのうち自分が言ったことに気が付いたのか真っ赤になって走り去った。

脈無しでもない…のか?

明日からどうしてやろうか。
またチャイナが来るであろう公園に俺は向かった。






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