晴れた空に少量の白い雲。

そんな清々しい天気とは裏腹に、ベンチでは栗色の髪の男が周りを引かせ
る程に黒いオーラを隠すことなく出していた。

「銀ちゃ〜ん!」

まただ
この耳障りな声

俺を苛立たせる

「神楽ちゃん!銀さんにあんまりベタベタしないの!」

そんなこと言ってどうせ嬉しいんだろうが。
ロリコンめ。

「ちょっと!銀さんロリコンじゃないからね!?」
「旦那ァ、勝手に人の心の声聞かないでくだせェ」
「お前がそう言う目で見てるからだろ!」
「銀ちゃん、そんなサド野郎放っといて酢昆布買いに行こうヨ〜」

イラッ

「ちょっ、金やるから勝手に買いに行け!」

汗だくの旦那はチャイナに少し金を渡す。
チャイナは嬉しそうに走って駄菓子屋に向かって行った。

旦那はチャイナが去ったことを確認すると、俺の隣にどかりと腰掛けた。

「あのさぁ沖田君。あんなに殺気出さないでくれるかな?」
「・・・出してやせん」
「出してるでしょ!何その反抗!!」
「いやァ、チャイナと四六時中ベタベタしてて暑苦しくてうざくて」
「出してんじゃん!・・・あのねぇ神楽な、言わねぇと分かんねぇよ?アイツ鈍いし」
「・・・」
「好きなんでしょ?神楽のこと」
「・・・どうしたらアイツは俺しか見ねェようになりやすかね?」
「唐突だな!まず告れば?」
「フラれるでしょ」
「じゃあ優しくしてみたら?」
「そうしてみまさァ」

俺がそういうと、旦那は立ち上がった。

「俺もう帰るから。神楽よろしくねー」

振り向かず手をふって旦那は万屋の方向に帰っていった。

俺がそれを見送っていると、まもなくしてチャイナが帰ってきた。

「あれ?銀ちゃんは?」

コイツは本当に旦那のことばっかなんだな。イラつく。

「旦那なら帰りましたぜィ」
「ふーん」

チャイナも帰るかと思いきや、予想に反して隣に座って酢昆布を食べだした。

「帰らないのかィ?」

帰って欲しくはないけど、興味本位で聞いてみる。

「銀ちゃんについていっても暇アル。ここにいるネ」

旦那よりも俺(?)を選んでくれたことがものすごい嬉しい。

これはいいタイミングなんじゃないか?

「チャイナ・・・」
「何ネ」
「あのさ・・・」






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