「キャー!宮地先輩ー!」

「高尾君可愛いー!」

今日もこの体育館には、女子達の黄色い悲鳴が飛び交う。それは私も例外ではなく、ノートを片手に悲鳴を上げた。

「キャー!(やばい今の宮地先輩と高尾君のじゃれ合い美味しい)」

いやあ、美形同士がわちゃくちゃしてるのって最高ですよね。ほんと美味しいわご馳走様です。毎朝満腹になれて大満足。嬉しい。私秀徳に来て本当に良かった。

「愛子おはよう!」

「あ!ユリコおはよう!」

そこにやってきた親友の天野ユリコ。彼女の美貌はこの学校でも1番だと思う。一見眩しい笑顔で挨拶をすれば、周りの女の子達が距離を取った。まあ、うん。ユリコは本当に美人だから、本当に気にしない人以外は隣には並びたくないと思う。けれど彼女の本性を知っている私は、貼り付けた笑顔のまま彼女に抱きしめられるのである。

「すうううはあああああ、んんんんんんもうほんと愛子って何でこんないい匂いなの!?今日も素敵よ好きよ結婚しようんはあああああ」

「毎度のことだけど後頭部がくすぐったい」

周りにはただ私がユリコに後ろから抱きしめられているように見えているかも知れないが、実はユリコは私の髪に顔を埋めてハスハスしている。キモイ。美人なのに。残念だ。実に残念な美人だ。

「はあ満足。で、今日はどう?収穫あったの?」

「聞いてよそれがね!」

そして私達は教室に戻りながら、腐った話を語り合うのだ。







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