突然ですが、私は味覚音痴なんだそうです。と、言いましても、自分的にはただ辛いものが好きなだけだと思ってます。

「「「かっっっっっっっら!」」」

「えっ」

今日は麻婆豆腐を作りました。麻婆豆腐の素(辛口)を買いましたが、辛さが足りないのでいつものようにコチュジャンを少し足してみました。

「あんた!これ!殺してるわよ!豆腐殺してるわよ!」

「ムリイイイイイイ辛いいいいいいいいい!!!!」

「…………」

「おい赤司!しっかりしろ!死ぬな!」

「ぐぉえっほぐぇえっほ!!!!」

「永吉!あんたなんちゅう咳してんのよ!」

「味の染みない豆腐にさえこれほどの破壊力を植えつけるなんて…。俺食わなくて良かった」

レオちゃんはすごい形相で私睨んで叫んでくるし、コタは泣きながら叫んでるし、赤司君は机に無言で倒れこんでるし、永ちゃんは吐きそうな勢いで豪快に咳込んじゃってるし、ちひろちゃんはなぜだか震えてるし。な、なにさ…。


事は20分前、部活後にあまりにお腹がすいた永ちゃんが学校から1番近い一人暮らしの私の家に乗り込んで来ることになってしまい、一人暮らしの女の子の家に男が一人で乗り込むなんてありえないわよ!と言うレオちゃんが付き添いという名目でついてくることになり、何か面白そうだから俺らも行くよな!とコタに引っ張られるようにして赤司君とちひろちゃんがついてきた(連れて来られた)のである。そして仕方がないので家にあるもので料理を振舞ったところこのザマである。ひどい。

「…けっこう辛さ抑えたんだけど…」

「「「「コレで!!?」」」」

全員が声を合わせて叫んでくる。ご近所迷惑でしょ!

「てかまずいなら食べないで。それ元々私のご飯なんだから」

「やだ、まずいとは言ってないわよ」

「そーそー!白飯とならいける!」

「確かに丼にしちまえばうめぇな!げっほ!辛ぇけどな!」

「豆腐は美味い」

「はー、何だお前ら…。よし、俺も死んでやるかな」

「皆…


それ私のご飯だって言ってるじゃん。帰れ」

何コレ新手のイジメ?それでもなんだかんだ、取り合うように全部食べてしまった私のチームメイト達なのでした。





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