ヒチョル
マキとの待ち合わせには、仕事の都合で少し遅れた
7月にしては寒い夜にも関わらず、マキは
『寒いからって動いたら、ヒチョルさんが見つけられないでしょ?』
と、雨に濡れて待っていた
冷えた体と服を、早くどうにかしなくては…
と、近くのホテルにチェックインした
シャワーを浴びて出てきたマキは、俺の飲んでた酒に興味を持ち、飲みたいと言い出した
ヒチョル「本当に呑めるのか?」
マキ「うん。これに似た色のを飲んだ事ある。」
…色?
酒を、色で判別するか?
マキ「…これ、美味しくない。前に飲んだジュースは、甘くて美味しかったのにな〜」
ヒチョル「ジュース!?…おい、これは酒だ。お前、酒を飲んだ事は?」
マキ「無いよ〜。お酒、初めて飲んだ〜何かフワフワするね〜」
マジかよ…
23にもなって、酒が初めてなヤツって居るんだな
マキ「ヒチョル〜ン♪キャハハハ〜」
相手は酔っぱらいのガキだ
ふざけた呼び方されて、怒ってたらダメだ。我慢しろ
マキ「ねぇ、ヒチョルン。暑くなってきたから、脱いでいい?」
ヒチョル「勝手にしろ。」
俺は、ガキの下着姿になんて発情しねぇよ
マキ「う〜ん、気持ちいい〜シーツの感触が最高〜」
ヒチョル「あぁ、そうかよ。って、おい!下着くらい着けろ。」
マキ「これから寝るだよ〜下着いらな〜い。」
子供かっ!
マキ「ヒチョルン、一緒に寝よう?マキ、もう眠い…」
ヒチョル「…寝付くまでだぞ。」
マキ「は〜い♪」
俺の左腕を抱き締めて眠る顔は、23歳に見えないくらい あどけなくて、
『静かにしてれば、可愛いんだから、これからは静かにしろよ』
と、言ってみた
‐32‐
←†top†→
Birthday