「簡単に言うと、あいつがやらなきゃいけねえことが里の外に出なきゃいけねえことで、
火影様にも内緒にしなきゃならねえことだ。その間、お前さんが影武者になり続けて里内の奴らの目をごまかす、そんだけのことだ。
・・あいつが戻ってくる日までな」
「で・・・ですが・・・」

若様は、殿方。
私めは、ただの分家の娘子。
性別も違うのに、どうすれば・・・。

「変わりになりそうなのはお前さんくらいしかいなかったからさ。
年の割に落ち着いてるし、物事をしっかり見れる・・何より、賢いところがあいつそっくりだからな」

そっくり。
その言葉に、はしたなくも胸が踊ってしまいました。
・・・私めのような者と、若様に、共通点が・・・、と・・。

「だからこそ、お前さんにはこの役目の重さも十分にわかるだろう。
この国の火影様までだまくらかして俺らが何をやろうとしているかなんて今は知らなくていい。
いずれ、知る日が来るだろうがその時も他言無用だ。いいな」
「は・・・はい」
「ははは、聞き分けいい子は俺も大好きだぞ」

安心して良いやら、
不安になるやら、
何だかすごい事件に巻き込まれてしまったようです。






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