「・・・戻ってこられる、というのは・・・」

私めに与えられた役目。
とてつもなく重い、それには触れてはならないものがあるのだと理解致しました。
諦めと覚悟を混ぜ合わせた感情のまま、震える声で聞いたのです。

「そうだ、お前さんはいつも冷静で助かる。状況把握出来ない忍は役には立たねえからな」

役立たず、
ごとりと心の何かが落ちていくような音が聞こえたような気がしました。

「あいつにゃあ、やらなきゃいけねえことが出来たんだよ」
「・・それは・・・里を出ても、成し遂げたいことなのでしょうか・・・」
「いや、個人の欲望なんかじゃねえさ。
誰かが成し遂げなきゃいけねえ・・・それがあいつにしか出来ねえこと、そんだけのことさ」
「?」
「いいか、今この室で言われたことは一切他言無用、わかったな?」

緊張しながらも、こくんと数回首を縦に振ると、
またお館様は優しい表情に戻っておられました。







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