「し、しかし!何故、若様が里抜けせねばならないのでしょうか・・!若様は、何も悪いことなどしてはおりませぬ!」
「そうよ、別に悪ぃことなんてあいつはしちゃいねえ」
「で・・・でしたら・・・何故・・」
「詳しくは話せねえのよ、残念ながらこれが」

きっ、と鋭くなったお館様の視線。
その視線に貫かれて死にそうな程、緊張が体中を走りました。

「いいか、深くは詮索してほしくもねえし知られたくもねえ、
ただ・・息子が里を抜けることは事実。そして・・・いつか帰ってくると言うのも事実」
「え・・・?」
「これはお前さんの腕に全部かかってる。勿論、里抜けるこたあ火影様にも内緒のこった。
今言えるのはこれっぽっちのことだ。嗚呼、心配すんな・・人払いはしてあるし、どうせ結界を張ってあるからお前さんと"あいつ"以外はここには入れない」

お館様の瞳の中には、
紛れもなく私め自身しか映っておりませんでした。







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