「まあ、それ以上深い理由は言えねえんだけどよ、」
「とりあえず、背格好も能力も見た上でお前が一番適任だと俺が選んだわけだ」
「しばらくの間は俺の家で息子として過ごしてくれ、あ、勿論息子の代わりに任務にもきちんと出るんだぞ」

くらくらとする頭に、
濁流のように色々な情報を注ぎこんでくださるお館様。
混乱につぐ混乱、
これ程戸惑ったのは、父様や母様が亡くなった時以来でしょうか。

「お・・・お待ち下さいませ、お、お館様・・・さ、里抜けとは・・・」

こくり、
言おうとした言葉を一瞬飲み込んで、
もう一度、おそるおそる口に出しました。

「・・・犯してはならない、罪のうちのひとつ、ですよね・・・」
「おう!そうだぞ!でもお前が何とかしてくれると信じてるし安心だな」

ざあああと顔を青ざめながら笑う、
今の私めは、とても、何を考えてよいやら、わかりません・・・。






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