PUNCH!
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カズヤとガーディ


夢主名前はカズヤで固定

カズヤ(12)




 俺には悩みがある。構えるほどに重大というわけではないのだが、なるべく早く解決すべき問題でもあった。


 マツバとのんびり次の町へ向けて歩いているときだった。
 俺はレベル上げも兼ねて飛び出してくる野生のポケモンをガーディで蹴散らしていた。


 バトルが終わるとガーディは必ず俺の足に噛みつく。この行為がガーディの褒めてくれアピールであり、嬉しさの現れだということにはずいぶん前から気がついていた。初めは叱りもしたが、悪意があるわけではないので、最近は当たり前のこととして受け入れていた。


「よーしガーディよくやった!」
 その日もいつも通りに噛みついてくるガーディの頭を撫でて褒めてやると、ガーディはちぎれんばかりに尻尾を振った。
 そのとき、何気なくマツバがこぼした一言に俺は凍りついた。


「ガーディが進化したらどうなるんだろう? もしかしたらカズヤのことまるかじりしちゃうかもね」


 はっとした。今は小さいから足ですんでいるが、ウィンディに進化したらどうだろうか。


 あれっ俺死ぬんじゃね?


 こうして、ガーディ躾大作戦が行われることになったのだった……。




 俺は前世で猫を飼っていた。そのときテレビかなにかで悪いことをしたら水鉄砲という躾方法を見たことがある。
 本来犬は水をそこまで嫌わないが、ガーディはさいわい炎タイプ。水をかけられたら嫌がるに違いない。


 かじられたら水鉄砲。どんなに嬉しそうに噛みつかれても水鉄砲。うるうるの瞳で見つめられたときは心が折れそうになったが、未来の自分の命がかかっている。心を鬼にして水鉄砲。

 躾をはじめてから大分日がたち、次の町が近づいてきた頃。
 いつも通りにバトルをして、相手を倒したガーディがこっちに駆け寄ってきた。

 そのまま噛むのかと思いきや、ようやく躾の成果が現れた。
 一度は開いた口を閉じて俺の足にすり寄ってきたのだ。なんだこいつかわいすぎる!


「よくやったぞガーディ!」
 喜びのあまりガーディを抱き上げてほおずりしてしまった。なんだか泥臭いけれど気にしない。




 こうしてつらい躾を乗り越えたガーディはあれいらい俺のことを噛むことはなくなったのだった。




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