PUNCH!
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異変


 ――事件です! 事件です! 事件です!


 今俺の脳内では、いつかテレビで見たジュンサーさんの切羽詰まった声がひっきりなしにリピート再生されている。



 ゴースをボールに納め、ゴースと目があった。そこから先の記憶がない。気がつくと俺は見慣れない建物の中にいて、俺のそばにはラッキーがいた。
 俺の目が覚めたのを知ると、ラッキーは部屋を出た。入れ違いにジョーイさんが入ってきたのを見て、あぁここはポケモンセンターなのか。と、まだ薄ぼんやりする頭で考えた。

 ジョーイさんによると、気絶していたらしい俺をゲンガーがつれてきてくれたらしい。そのゲンガーは疲れていたので今別室で休んでいるらしい。
 気分がよくなるまでゆっくりしていっていいとジョーイさんに言われたので、お言葉に甘えて、ベッドの上で思考を巡らせる。


 ゴースをゲットしたあの瞬間、俺に異変が起きた。
 頭の中に何かが流れ込み、俺の中の何かが書き換えられる感覚。気絶したのは機械で言う処理落ちだろう。
 目が覚めた俺は、今までとは異なった。今まで見えなかったものが見えるようになったのだ。
 もちろん霊的な意味ではない。ゴーストポケモンはさておき、幽霊と言うものを俺は基本的に信じていない。
 では何がみえるのか、それはポケモンのステータスだ。まず傍らにいたラッキー。ラッキーの頭の上に、種族名とレベルと性別とHPがみえた。ゲームで言う戦闘画面で見えるようなグラフィックだと思ってくれていい。

 次に、俺がゲットしたゴースを見る。ゴースはまだモンスターボールに入ったままだった。
 ボールを何の気なしに見ていると、ぼんやりとステータスがみえた。意識して見ようとすると、はっきり見ることができた。
 こっちは先程よりも、もっと詳しく、親の名前や捕まえた場所、性格、覚えている技など。ゲームで言う手持ちのつよさをみる画面のようだ。

 これが、目が覚めて今まででわかったこと。でもきっと変わったのはこれだけじゃないと言う確信がある。そのうちわかるだろうから今は放置だ。


 ゲンガーを引き取り、ジョーイさんにお礼をいってポケモンセンターを後にした。




 あの後俺は、マツバの家に来ていた。ゲンガーを返すと言う名目ではあるが、本当はただ自分に起きた異変を伝えておきたかったからだ。
 辺りはもう暗く、いつもならすでに帰ってきているはずの時間だった。
 もしかしたら今日は帰ってこないのかもしれない、俺がそう考え始めたとき、廊下を歩く音が聞こえ、傍らにいたゲンガーが、一目散に飛んでいた。


「カズヤ……なの?」

 久しぶりに聞いた声は、ずいぶんと疲れているように感じた。こんな時間まで修行してたら当たり前か。


「よう、ひさしぶり。ちょっと……いいか?」




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結局説明だけで終わってしまった

行き当たりばったりはこれだから……



この能力で主人公の俺TUEEEが始まる……かも?


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