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日常小話

カズヤとゴースト




夢主名前はカズヤで固定

カズヤ(12)



 ある晴れた日、今日も俺はマツバと旅をしていた。道行くトレーナーとのバトルも絶好調でゴーストもうれしそうだ。

「もうカズヤのゴーストも大分育ってきたよね」

 と、マツバが声をかけてきた。確かにゴーストのレベルは30の後半に差し掛かっており、ゲームではもう進化させてもいい頃合いだ。進化はさせたい。が、それには問題があった。

「交換で進化ってどうやったらいいんだ……?」
「交換?」

 ゲームのでは人と交換することで進化するポケモンであるゴーストをどうやって進化させたらいいのだろうか。もちろんこの世界にはゲームボーイもDSも無いわけで、なぜかモンスターボールが空に吸い込まれたりなんてしないわけで……。

「じゃあ僕のゴーストとカズヤのゴーストをためしに交換してみようか」

 正直成功する気はしないのだが……。

「まあやらないよりましか。物は試しだしな」


 そうして俺とマツバのゴースト進化作戦が決行されたのだった。



「まあまずは小手調べってことで」

 まず初めに俺のゴーストとマツバのゴーストを手渡しで交換してみた。が、モンスターボールには何の変化も無い。どうやら外れのようだ。しかしこれがうまくいかないとなるとこれ以外の方法が全く思い付かないのだが……。
 試しにしばらくそのままで過ごしてみたが、結局変化はなかった。

「やっぱり無理か……。そうだろうとは思ったけど」
「他に思い当ることはないの?」

 そして俺は必死に前世の記憶を引っぱり出したり、この世界で読んだ本の記憶を手繰り寄せてみたが、心当たりはない。
 そのあとも二人で案を出し合ったが、結局何の成果も得られぬまま日が暮れてしまった。


「あーわからん。これ以上考えてもしかたないし……今日のところはここまでにしよう」
「そうするしかないみたいだね……」
「それに、レベルが上がったら自然に進化するかもしれないしな」
「まあ、僕はゴーストがゲンガーになれなくてもそれはそれでかまわないと思ってるしね」

 俺としてはやっぱり進化してほしいのだが……交換の意味がわからないし、交換で進化するかもわからないしで八方塞がり。打つ手はなしだ。
 レベルが上がって自然に進化してくれるのが一番いいんだけど。今の時点で30代であることからこの先進化する見込みは薄そうだ。

 さっきから話の中心であるゴーストたちをチラと見やると、二匹で追いかけっこを楽しんでいるようだ。俺のゴーストがマツバのゴーストに一方的に追いかけられているようにもみえるがきっと気のせいだろう。普段びくびくと俺の後ろに隠れてばかりだし、こうやって動き回るのはいい機会だろう。と、いうことにする。


 ゴーストが助けてほしそうにこちらを見ているような気がするが、俺は気がつかないふりをした。

 決して当てつけとかそういうのでは、無い。





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