今年最後の

「今日もきれーさっぱりうまくいったなー!」

ルパンは笑顔でアジトに入り、今回狙った宝を次元に投げた。

「こいつは相当のもんだな。どうするルパン?」

「そりゃもちろん決まってるでしょ♪今夜の宴のために使わせてもらいましょー!」

「だろうな。」

次元は宝を包んでいる袋を開ける。
中には輝かしいワインボトルが入っていた。

「こんないいワインは久しぶりだな。」

500年に一度のワインだと世間で騒がれ、そのワインが国王に捧げられると一躍話題になったので、ルパンはこの大晦日にそのワインを盗みにいったのだ。

IQ300の頭脳と驚異の身体能力、そして強力すぎる仲間を連れてルパンは有り難くワインをお持ち帰りした。

「今戻ったでござる。」

次元がワインラベルを眺めていると五右ェ門がリビングに入ってきた。

「おう、お帰り。」

「五右ェ門ちゃーん!どう?しっかりまけた?」

ルパンがキッチンの方から声をかける。どうやら早速宴のお供を作っているようだった。

「あぁ、問題ない。だが今回は何故銭形の姿が無かったのだ?」

今回ワインを盗むことは、わざわざ銭形にも挑戦状を出して知らせていた。
にもかかわらず、国王の近くに銭形の姿は無かった。他の場所にいるのかもしれないと警戒しても気配はなく。
だがそのおかげでいつも以上にすんなりと盗みがうまくいったのだ。

「まぁいいんじゃねぇか?とっつぁんだって休みたい時くらいあるさ。」

「それなら良いが……。」

腑に落ちない面立ちで五右ェ門はソファーに座った。

ルパンは肴が出来上がるとそれをテーブルに並べ、鼻歌を歌いながらもう一度キッチンに戻った。
次元もダイニングチェアに座り、ルパンに声をかける。

「ルパン、いつまでやるんだ。」

するとルパンは食器棚の下に頭を突っ込み、ガタガタと他のワインを探していた。

「あれー?俺のスコッチどこっち?」

「それならこの前飲んでたじゃないか。」

「いやもう一本あんだよー。確かこの辺に……。」

棚の奥へ手を伸ばすと、ガシャンと金具が手首に当たった。

「………え?」

ルパンが手を引くとそこにはしっかり紐に繋がれた手錠がはめられていた。

「がーはっはっは!!もう逃がさんぞルパーン!」

すると棚の中から銭形が這いつくばりながらゆっくりと出てきた。

「なーんでそんなとこにいんのよ、とっつぁん…。」

「俺はお前を捕まえるためならどこにだって現れるんだ。ルパン逮捕だぁ!!」

「ちょ、ちょい待ち!今日は大晦日だぜ?せめて年明けまでは待ってくれよー。」

「そんなもん待ってたらいつまでたっても捕まえられんわ。さぁ、行くぞっ。」

ルパンはため息をついて振り向く。

「仕方ねぇ…。なぁ次元、とっつぁんの酒あったっけか?」

すると次元はポケットからビー玉くらいの玉を取り出した。

「これか?」

「そうそう!んじゃ、それあげちゃって♪」

「あぁ?」

銭形が次元に目を向けると、次元はニッと口角を上げてその玉を地面に叩きつけた。

するとその玉から煙が出て、アジトは忽ち白い煙に覆われた。

「なっ…何だこれは!〜〜っ待てルパーン!」

銭形が手錠が繋がれた紐を引っ張ると、その先にあったのはダイニングテーブルの脚だった。

「なっ…なにぃ!?」

銭形はガバメントを抜いて窓を割る。
そこから煙は逃げていき、やっと視界が鮮明になった。
だがそこにあったのはもぬけの殻になったアジトだけ。

「とっつぁーん!」

どこからともなく声が聞こえ、銭形は辺りを見回す。
するとその声は外からのようで、急いでベランダに出るとヘリコプターに乗ったルパン一味が上空に浮いていた。

「俺たちからの酒はどうだった?なかなか良いもんだろーっ。そんじゃ、来年もよろしくなー♪」

バラバラと音を立てながらルパンたちは姿を消した。

寒空の下、銭形の叫び声だけが寂しく轟いた。


「どっかにいると思ったら、あんなとこにいたよ全く。」

ルパンは頭の後ろで手を組んで足を放り出した。

「まぁいいじゃねぇか。ワインだって頂いたことだしな。」

「では今宵の宴は如何いたす?」

「うーん…。じゃあまず一回目はここで♪」

ルパンは何処からかワイングラスを出してワインを注ぐ。
それを2人に渡すと、グラスを差し出した。

「A HAPPY NEW YEAR!!」


-fin-

◯ファミリーのほのぼの(^^)
全然オチもヤマもなくて
すみません!!(汗)
不二子ちゃんは出したかったのに
出せなかった……。
この後合致ということで(笑)
それでは皆様、良いお年を!

Thank you for reading!!


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