時の動く部屋

「ふいー、ただい…あら?誰もいねぇのか。」

ルパンはアジトに戻るとそこは、もぬけの殻で誰もいなかった。
今回の作戦は全員がバラバラに行動しなければならなかったので、帰宅も勿論個々別々だった。

「俺が一番乗りー♪」

ルパンはニコニコしながらソファーにダイブした。ゴロリと体を反転させ、手を頭の後ろで組んで天井を見上げる。天井のランプは煌々とルパンを照らす。

「いつからだったっけな…。」

怪盗を始めようと思ったのは。

祖父や父の影響もあり、自分は物心ついた時には一般の人間以上の頭脳と運動神経が備わっていた。
本能的に怪盗の基礎は身に付いていたと言っても過言ではなく、気付けば世界中の警察や暗黒組織だけに止まらず、誰が聞いても目を丸くする名前になった。

だが、初めは勿論全て1人でこなしていた。
警察の目を欺くのも、高度なテクニックで宝を盗むのも全て。
そしてそれから何年後か、2人の男と1人の女を連れて、過去の自分がしていたこと以上のことをしている。

「腕は…衰えたり、してねぇよな?」

ルパンは右手を目の前に差し出し、わきわきと指を広げたり縮めたりした。

腕は落ちていない。それどころか上がっていっている気がする。
ただ、過去の自分とは違った所は他にもあった。

「いっつもアジトにゃ、俺が一番乗りだったもんなー。」

古びたアジトに帰れば、冷たさも感じられないドアノブを握って、時間の止まる部屋に入っていた。
だが今は、早撃ちガンマンと居合い切りの名人と正体不明の女怪盗と、世界の大泥棒は同じ屋根の下で暮らしている。

「ただいまって、いい言葉じゃねぇの。」

ルパンがクスクスと笑うと、玄関の扉が開いた。

「あ゙ー疲れた。さっさと風呂入りてぇ。」

「不二子殿、夕飯は何でござる?」

「多分パスタじゃない?何だったら和食にしてもらったら?…あらルパン、ただいま。」

ルパンがむくっと起き上がると、そこには次元と五右ェ門と不二子が一緒に帰ってきた。

「おかえり。次元、五右ェ門、不二子ちゃん。」

ルパンは笑顔で3人を迎え、右手をぎゅっと握りしめた。


-fin-

◯ルパン視点のお話(^^)
途中私の妄想が紛れました…
でも昔からルパンは
色々できてたと思います。
やっぱりファミリーネタ
大好きだぁ(*´∀`*)

Thank you for reading!!


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