Don't say but me.

「ねぇ。乾いてる女と濡れてる女、どっちがいい?」

急に不二子は昼間っからテーブルに足を上げてバーボンを飲んでいる次元に問いかけた。

次元は唐突すぎる質問に目を丸くした。
そしてバーボンを飲む手を止め、次元はニヤリと口角を上げて不二子を見る。

「何だ、こんな昼間に大胆発言か?」

「エッチ。性格の話よ!」

不二子は顔を赤らめながらもプンプンと怒り、次元を睨み付けた。

次元は変わらぬ顔で肘をついて不二子を見ていたが、正直言っている意味がはっきりと分からなかったのだ。

乾いてる性格と濡れてる性格って何だ?

次元は考えても答えが出てこなかったので、単刀直入に不二子に問う。

「どういう意味だ?お前はどっちなんだよ。」

すると不二子はゆっくり首を振って、何かを試すような眼差しで次元を見つめた。

「あなたの答えが欲しいの。考えてみて。」

もう考えたっつーの。

内心で愚痴を溢したが、次元はため息をついてもう一度考え直す。

「…くどい女が濡れた女で、冷めてる女は乾いた女か?」

次元はバーボンを口に流し込み、喉仏を上下に動かしてそれは器官に落ちていった。
室内の温度がそれほど高くないおかげで、グラスの中に浮かぶ氷はあまり溶けていない。

「あっさりした内容ね。」

「ルパンみたいに俺は頭が良くないんでね。おっさんの乏しい脳ミソじゃこれが精一杯だ。」

「それもそうね。…それで?あなたはどっちがいいの?」

不二子は含み笑いをしながら次元に近づく。
次元は体勢を変えずに、視線だけを不二子によこした。

不二子は次元の細長い足をテーブルから下ろさせ、その大腿の上に座った。
不二子を見下ろすと、豊満な胸でできた谷間が服の中から覗き、滑らかな白い肌は次元を誘うように光る。

なんでこういう服ばっか着るかな…。

次元は駆り立てられる衝動をぐっと堪え、バーボンを持っていた手で不二子の顎を捉える。

「濡れた女は見てて楽しいし、乾いた女のプレイも悪くない。」

不二子は次元を見上げたまま、目を細めて笑う。
長い睫毛が艶やかに揺れた。

「あら、じゃあどっちでもいいの?」

「いや…、」

次元は不二子から手を離すと同時に、もう一度バーボンを口に含む。
そしてグラスをテーブルに置くと、不二子の顎を再度人差し指と親指で掴んだ。
そのまま口を開けて、バーボンを直接不二子の口内へ送り込んだ。

「…っ!」

不二子は目を見開いたが、抵抗は見せずにそれを喉に流し込む。
バーボンは口から外へ溢れることなく、綺麗に不二子の口内に受け止められた。
ゴクッ…という音を聞くと、次元はまた不二子の唇に自分のを重ねる。
啄むように、舐めるように何度も繰り返され、次元が離れた時には不二子の息は上がっていた。

「そんなら俺は濡れかけの女がいいね。乾きすぎるのは寂しいもんだからな。」

不二子は肩を動かしながら酸素を取り入れている。
頬は上気してほんのり紅く染まっており、普段はピンクの唇も妖艶な朱色を帯びていた。

「ほんと…とことん強引ね。」

「もっと色っぽいこと言ってくんねぇか?」

不二子は恨めしそうに次元を睨むが、今はそれさえも煽っているようにしか見えなかった。
次元は不敵な笑みを見せながら不二子の熱い頬を撫でる。

「言ってあげてもいいけど…高いわよ?」

ようやく呼吸を取り戻すと、不二子は次元の首の後ろに腕を回し、大きな瞳で上目遣いをする。

「なぁに。その分良くしてやるさ。」

次元は余っている片腕を後ろから不二子の腰に回し、引き寄せる。

「ほんとスケベ。」

飽きれがちに溢すと、不二子は次元の耳元に口を近づけた。
甘い吐息と交えながら、ゆっくり愛の言葉を捧げる。

不二子が離れると、次元は不二子の想像通り目を丸くしていた。
だがその表情はすぐにいつもの笑みに変わり、次は次元が不二子の耳元に唇を近付ける。

「不二子、」

悪戯に少し軟骨を舐めてなると、ぞくぞくと不二子の性感帯を響かせた。
視線だけで次元をキッと睨むと、次元はニヤニヤしたまま唇を動かす。


その言葉、俺にしか言うんじゃねぇぞ



-fin-

◯またまたこういう系に…
「Don't say but me.」は
「自分にしか言うな」的な
意味にしたつもりですが…
butとmeの間にtoはいるのかな?
いっちょまえに英語使って
ごめんなさい(;_;)
あと不二子ちゃんの台詞は
ご想像にお任せします(^^)

Thank you for reading!!


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