近くで見なきゃ分からない

「次元ー、五右ェ門どこ行ったの?」

ルパンがリビングに入ってきて、ベランダで洗濯物を干している次元に問いた。

「あいつなら『味噌を買ってくるでござる』とか言って出ていったぞ。」

「なぁーんだよー、ちぇー!せっかくネギのみじん切りしてもらおうと思ったのにー。」

口を尖らせてルパンはリビングを後にした。

「んなアホなこと、五右ェ門が引き受けるか…。」

ため息をついて、もう一度洗濯物を干し始める。するとまた誰かが来た。

「あら、洗濯物ありがと。」

入ってきた人物は不二子。ダイニングテーブルの椅子に座り、ノートパソコンを開いて何やら作業を始めた。
次元は洗濯物を干し終えると、エプロンを外して不二子の向かい側に腰掛けた。
不二子はちら、と次元に目をやって笑う。

「あたしの下着干しながら発情してたんじゃないでしょうね?」

「お前の下着みてぇなもん、見飽きたっつの。それに俺は本物主義なんでね。」

次元はタバコに火をつけながら、淡々と言ってのけた。
すると不二子は少しむっとして、顔を背けた。

「そんなストレートなセクハラ、初めて聞いたわ。」

次元はクスクス笑いながら不二子の隣に移動した。
足をテーブルに乗せ、不二子のノートパソコンの液晶画面を見る。どうやらまた何かをオークションにかけているようだ。

「ったく、金好きな女だぜ…。」

タバコの煙で遊びながら次元は液晶画面から目を逸らした。
その時、ふいに不二子の手に目が止まった。
白くてキメ細やかな肌に、細く長い指。当然のことだが、次元の手よりははるかに小さい。
次元はその手を握ってみた。

「…な、何?」

不二子は驚いて次元を凝視する。次元はその手をキーボードから離させ、自分の手と重ね合わせてみた。

「ちっせぇなぁ。」

普段や、体を交わらせる時に手を組むことはあっても、その事に関して深く考えたことはなかった。
次元の方が不二子より一関節分大きく、太さも一目瞭然である。
次元はテーブルから足を下ろし、体を不二子に向けた。

「急にどうしたのよ?」

不二子は次元の行動を拒まず、一度パソコンを片方の手で閉じた。

「いや、綺麗すぎて壊れそうな手だと思ってな。」

次元は不二子の手に自分の指を絡めた。そのままぐいっと不二子を引っぱり、自分の膝に座らせた。

「随分乱暴ね。」

不二子が次元を見上げながら体を微かに寄せる。

「優しくしようとしたつもりはないんでね。」

絡めとった不二子の指にキスをして、目線だけを不二子に向けた。

「貴方の手は固いわ。」

「誰かさんたちが俺に家事を押し付けるんでね。」

赤い舌を出して、不二子の甘皮辺りを嘗める。不二子はビクッと体を揺らした。

「お前さんの指は柔らけぇな。」

すると不二子は片手を次元の胸に当て、微笑んだ。

「あたしに惚れてるのなら、気付くのが遅いんじゃなくて?」

「近くじゃねぇとわかんねぇよ。ましてやお前みたいな化け皮を被った女のことなんてな。」

次元はその手から腕を通して何度もキスをして、不二子の唇の近くで止まった。

「だからもう少し可愛げ出してくれよ。俺が近付きたくなるくれぇ、な。」

不二子は微笑んで、ゆっくり唇を重ねた。


-fin-

◯くどくなっちゃった…
不二子ちゃんてすごく
手が綺麗ですよね(^^)*
次元は毛が濃いので
すごく対照的です(笑)

Thank you for reading!!


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テーマ「人外ファンタジー」
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