妬きもち女と鈍感男?

今夜のおかずが無いとルパンに言われ、不二子と次元は町へ晩御飯の材料を買いに来ていた。


「次元ー?もう忘れ物無いわよね?」

不二子が会計を済ませると、たくさんの荷物を持って次元は入り口で待っていた。

「おー。大体こんなもんだろ、帰るぞ。」

歩き始めると不二子もその後ろに続いた。並んで歩いていると、不二子が2つの買い物袋を抱えていることに気付き、次元は中身の多い方をひょいと持ち上げた。

「あら、優しいのね。」

心底嬉しそうに不二子が笑うと、次元は帽子の下から不二子を見た。

「素直にありがとうとか可愛いこと言えないかねぇ。」

「はいはい、ありがと。」

不二子が少し笑いながら感謝の意を述べると、次元は前を向いたまま「ん。」とだけ答えた。

しばらく歩いていると、前から不二子より少し若い女性が走ってきた。片手は携帯を持って電話しており、前を見ておらず、そのまま次元にぶつかった。

「おっと。」

「きゃあっ。あ…っ、す、すみません!」

女性は抱えていた書類らしきものを落としてしまい、謝りながらそれを拾い始めた。次元は買い物袋を一度地面に置き、書類拾いを手伝った。
全て拾い上げるのに、さほど時間はかからず、女性は立ち上がってお辞儀をした。

「あっありがとうございました!」

次元も立ち上がり、買い物袋を持った。

「おぅ。またぶつからねぇよう、気をつけな。」

笑顔で次元が手を振ると、女性はもう一度お辞儀をして、走り去ってしまった。
その時不二子は見過ごさなかった。走り去った女性が次元に手を振られた時、顔を赤らめたのを。

「…優しいのねぇ。」

少し皮肉っぽく不二子が言うが、次元は何も気づいていないように頷いた。

「俺はいつだって優しいさ。」

不二子はむっとして、次元の前を歩いた。次元は慌てて足を速め、不二子の顔を横から覗いた。

「何怒ってんだ?」

不二子は大きな瞳で次元を睨み付け、フンッとずかずか歩いていった。
次元は帽子を押さえて、笑いを堪えながらまた不二子を追いかけた。

「なぁ、怒ってんだろ?」

「別に!私にはあなたがいなくても平気だもの!」

「何も言ってねぇだろ。大丈夫だよ、俺の女は不二子ちゃんだーけ。」

「…っ!?もう知らないっ…!」

「ふふ。(可愛いねぇ。)」


-fin-

◯やきもち不二子ちゃん(^^)
パースリではよく2人は
喧嘩してますので
その時の不二子ちゃんを
イメージしてみました。
この後アジトに帰って、
何があったか分かるのは
ごえだけという設定で(^^;)

Thank you for reading!!


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