天気がいいもんだから、ちょっと外の空気でも吸うかと思い家を出た。
小さな公園の木の影に、なにやら見覚えのある人影。
「あ、シルバー」
近くに行ってみると、赤色の髪が目立つ奴。
こんなところで一人で昼寝たー無防備だ。
隣に腰を下ろして寝顔を覗き込むと、次第に眉毛がひくひくと動いてゆっくりと目が開いた。
「お、起きた」
俺の顔を見た途端に眉間にしわが寄り、いつもと同じ表情になる。
「グッモーニンシルバー」
「…なんでお前がいる」
「通りかかったらシルバーが無防備に寝てるもんだからよ!」
「用がないならどっか行け」
「つれねーなあ」
俺からそっぽを向いて、少し起こしていた体をまた倒す。
「シルバーまた寝んの?」
「お前には関係ない」
「膝枕する?」
「あほか」
あっさり断られる。
まあこれくらいはいつものとこだ。
いいからいいから、と言って無理やりシルバーの体を自分の膝元へ倒す。
「なっ何をする!」
「地面よりだったらこっちの方がよく寝れるだろ?」
「…………一時間したら、起こせ」
「はーいよーっと」
どうやら諦めたのか、それだけ言って目蓋を閉じる。
眉間によせていたしわが徐々になくなり、完全に眠ったようだ。
…かわいい寝顔してやがる。
こんな顔その辺の奴らに晒されたらたまったもんじゃねえな、と軽く髪を撫でた。
ひとりじめ
(一時間もこのままとか、よく考えたら最高じゃね?)
2011.03.14