「俺、気付いたんだ」


何に、やっと自分がドベだってか?と鼻で笑ってやったら、ちっげーってばよ!と怒るように言った。
空を見上げながら、サスケが好きなんだなって、と平然に言うもんだから、思わず聞き流してしまうところだった。
しかしなんて言えばいいかも分からないから、そうか、と一言だけ相づちをうった。

「…そ、それだけ?」
「それだけ?って…他に何を言ってほしいんだ」

サスケー俺の言った意味わかってる?と肩に腕を伸ばしてした。
こいつはスキンシップが無駄に多い。
気安く触るな、とひっぱたいても気にしていないようで、いつも軽く流されてしまう。
こいつが触れたところに身体中の熱が集まってしまうようでもやもやする。のが嫌で、毎回こう言っているのに。

「わかっている。わかってるからその手をどけろ、鬱陶しい」

なるべく、冷たく言ったつもりだった。
気持ちを察しられないよういつものように冷静に。
しかしそう思っていても、外からみるとすぐに分かってしまうようで。

「サスケよぉ、顔が赤いけどどうかしたか?」
「うるさい赤くない。こっちを見るなとっとと離せ!」

自分ではそうしたと思っていても、どうやらそれはできていなかったらしい。
言ったとたん、ナルトの表情がみるみる緩み、ニヤッと効果音が聞こえるようなものに変わる。


「サスケェ〜、もしかして照れてるんだってばよ?」
「なっ…照れてない…!なんで照れる必要がある!」
「取り乱してるじゃんかー」
「乱してな…」

言い切る直前にふと頬に温もりを感じて、自身の動きが止まった。
ぎぎぎと首を動かしてその方を見ると、またナルトがにやっと笑う。
こ、コイツ…!
しかし言葉が出る前に口がふさがれてしまい、抵抗もできなくなる。
全身が熱くて息が苦しい。
今度はそのまま手を握られて、自分の肩がびくりとはねたのが分かった。
それでも重ねられた口同士は離れなくて。
空いている手で胸をどんどんと叩くと、少ししてからゆっくりと唇が離れた。


「……ち、くしょ、う…」

やっと自分で息ができると思ったが、呼吸が荒くて辛い。

すると、かーわいい、と鳥肌をたたせるようなことを言ったもんだから、殴ってやろうと思った。
しかし振り下ろした拳は、いとも簡単に受けとめられてしまった。

「ったーくサスケちゃん素直じゃねえの〜!」
「…だっ…黙れウスラトンカチが!」

なんでこう、こいつが上手みたいな状況になっているんだ。
どうしても納得がいかなくて、へら、と笑った隙にその拳をもう一度振り下ろしたのだった。




やっぱり君が好き
(…好きじゃない)
(意地はんなってばよー)


2011.07.20
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