よく晴れた日。
秋晴れというのか、雲がない青空に冷たい風が少し肌寒い。
公園のたくさんの木の葉はほとんど落ちていて、綺麗な色の葉が公園中に広がっていた。
真ん中にある噴水の周りには、かわいい女の子たち。


「こんにちは、いい天気ですね」

馴染みやすい雰囲気で声を掛けると、女の子たちは快くあいさつを返してくれる。
女の子は好きだ。
いい香りがするし、何より男と比べられないくらい体も心も華奢だから。
守ってあげたくなる。



「ジャンルカ!」


そろそろ帰ろう、と一緒に来ていたマルコが声をかけて来たから、またね、と言って女の子たちの前から足を進めた。


帰り道、マルコがそんなにナンパ楽しいの?と訊いてきた。

「まあな。マルコだってナンパ好きだろ?」
「女の子は好きだけど…そんなたらしみたいにしないし」

なんだかふてくされた口調だな、と思い隣のマルコを見ると、明らかにむすっとしている。
思った途端、急にマルコの足が早くなり俺の前を歩く。


「何、怒ってんの?」
と訊くと、
「怒ってない」
と返ってくるのはもちろん予想済みだった。

「怒ってんじゃん」
「違うってば」

何度訊いても、こっちを見ないままふてくされているだけだった。
これじゃあ俺も納得がいかない。
早足で前を歩くマルコの腕を掴むと、一瞬びくっとした。


「マルコ、こっち見て。怒ってんの?」

やさしい口調で改めて訊くと、だって、と小さく答える声が聞こえた。


「だって、ジャンルカが、女の子ばっかりみるから」


いわゆる嫉妬ということか。
安心からか、はあ、とため息をついてマルコの前に周り手を握る。
この同じ性別のはずの奴め、見た目だけじゃなく発言まで女の子みたいなかわいいことを言うものだ。

「馬鹿だな〜マルコは。一番なのはマルコに決まってるだろ」
「なんでそんなに軽く言えるんだよ」
「なんでって」

どうすればこの頑固状態のマルコを納得させられるのだろう。
言葉では難しい。
なら行動で示せばいいことじゃないのか、と手を握ったまま軽く唇にキスをした。


「こんなことするのは一番好きなマルコにだけだよ」

マルコは顔を赤くして、そういうとこも軽いんだよ…!と、繋いでた手をつねられた。
(なんだよ、まあ、ほんとは嬉しいって分かってるけど。)








よそみ禁止
(本当はお前しか見てないよ)




2011.04.24
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