「ずっと好きだったの」
「友達としてじゃなく異性としてあなたが好きなんです」
「私でよければ付き合ってください」
「好きな人いる?」
「私って魅力ないかな?」
「好き、リー…っ!誰?」
誰も居ないと思っていたのに、突然感じた気配に思わず語尾が荒くなる。
そこに居たのはやっぱり…
「リ、リーマス何時から居たの?やだなぁ全然気が付かなかったよ」
あはは、と気まずさを紛らわせるために無理に笑いを貼付けて。
一番聞かれたくない人物に聞かれたのかもしれないと思うと、平静さなんて見失ってしまう。
「ナマエ、それ誰に言うつもりなの?」
「や、これは違うくって、あの…さ、最近読んだ本の台詞なんだよ」
「ふぅん」
全然信じてません、と言葉で言われたも同然の態度に、上手く言い繕うことは出来なさそうで。
ああ、何で私はこんな廊下で声に出してしまったんだ!よりによって本人に聞かれるなんて最悪だ。と心の中で悪態をつくのに必死で気が付かなかった。
とん、と壁に背中を触れさせられ、隣にはリーマスの両腕が。
「…え?」
「僕もずっと好きだよ、ナマエ。友達としてじゃなく、異性として。僕が好きなのは君、魅力を感じるのも君、好きな人は君…ナマエだけだよ」
僕で良ければ付き合ってもらえますか?
と近くに迫った顔に言われれば、無言で首を上下させるくらいしか出来なかった。それも何度も。
(僕から言うつもりだったのに、君の声が聞こえてきたんだ)
20100324