おはようございます、ルーピン先生。
朝の大広間に向かう途中、私はルーピン先生に出くわした。どうやら先生も同じ方向に向かうところだったらしく、ご一緒させてもらうことにした。
朝からついてる!…寝坊したから髪が少し乱れている気がしてならない。
「そうだナマエ、今日の放課後時間あるかい?」
「あ、はい…?」
「先日質問しに来てくれただろう。君が納得しそうな良い答えが見つかったのでね」
先生。どうして闇の魔術は存在するのですか?禁じるくらいなら、なぜ今では禁じられた呪文と呼ばれる魔法が生み出されたのですか?
「あれは…」
先生の部屋に質問に行った時にいつも振る舞ってくれる紅茶に、のぼせてしまっていたに違いない。或いは先生に。
あんなことを言うつもりなど全く無かったのに。
「ナマエ。私は君がそう考えることは当然だと思う。私は君のご両親を知っている…ハリーのご両親と同じくらい良くね」
朝からそんな顔をさせてすまないね、と哀しそうな顔が向けられる。
「そんなことないです。…あの、放課後、先生の部屋に行っても良いですか?」
「勿論だとも。とっておきのお茶を用意しておくよ」
気が付いた時には大広間の扉の前まで来ていて、私は先生とそこで別れた。
グリフィンドールのテーブルに向かうと、まだ寝てる私を置いて行ったハーマイオニーが、良く見る組み合わせで朝食を食べていた。
「あらナマエ、一人で起きれたのね」
彼女のふわふわの栗髪が朝の余裕を感じさせる。羨ましいくらい手触りの良い髪からは甘い薫りがする。
「お蔭様でゆっくり眠れたわ。ベッドが恋しがって私を離してくれなかったわ」
「ナマエまた寝坊?君昨日も…あいたっ」
ナマエとハーマイオニーが冗談を言い合っている前でロンが昨日の事を話題に出そうとした時、すかさずハリーがテーブル下でロンの足を踏みつけた。余計な事を言うなよ、とその目が訴えかけていた。その様子に気がついたのはハーマイオニーだけであるが、肩をすかして馬鹿ね、と心の中で呟いただけであった。
「そう言えば、」
ふと思い出したかの様にハーマイオニーがパンを千切っていた手を休めて切り出した。
「ナマエ、あなた今日の夕方空いていたかしら?」
「今日の夕方?…あ、ごめん、予定あるんだ」
つい先程の先生との約束を思い出し、友人に申し訳ない気持ちで断りを入れる。
「そう?別に大した事じゃないの、だから大丈夫よ」
笑顔がよく似合う彼女に、ありがとう、とだけ返してナマエは少し遅めの朝食にやっと手をつけ始めた。