私が彼と付き合って、もう7ヶ月。我ながら良く持っていると思う。そして周りにもそう言われる。
それだけに今の私の彼氏の評判はすこぶる良くないのだ。
「ナマエも良く続くよね」
「まあね。今までの彼女が彼に執着し過ぎだからじゃない?」
言えてる。
友達はそう相づちを打って、朝食のトーストにかじり付いた。
付き合おうか。と言われて、良いわよ。と簡単に返す私は軽いかしら?
彼が私の何を気に入ったのか未だに分からない。
それすら聞いていないのに付き合っているだなんて良く言えるよ。
「なぁナマエ、今度の週末のホグズミート一緒に行こうぜ」
「良いわよ」
「良かった!連れに紹介しようと思ってるから、よろしくな」
じゃあ、と彼は次の授業へと向かった。
彼と私はグリフィンドールとハッフルパフ。だから授業が一緒になることは滅多に無い。
でも別に寂しいなんて思わない。
だって私は彼を愛している訳じゃないもの。
「ジェームズ、リーマス、ピーター。彼女がナマエ・ミョウジ」
「”はじめまして”、ナマエで良いわ。あなた達の事はシリウスから良く聞かされているから」
警戒心を解くにはこれくらいの笑みで。下準備は万全。
三本の箒で待ち合わせたのは彼の悪友達。
勿論私が彼等を知らない訳が無い。だって、とても有名なんだもの。
それに---
「よろしく、ナマエ。シリウスとこんなに付き合えるなんて、君たちは相性が良いんだね」
「ありがとうリーマス」
違うわ。
私はただあなたに近づく為に彼を利用して来たの。
今日、というこの日まで。
彼を愛してなんかいないからこそ、7ヶ月も持ったんだと思うの。
彼が私と別れないということはまだ気付いていないのだろう。
私が見ているのはあなたじゃないのよ。
許して、なんて言わないけれども。
こうでもしなければ彼に近づく事は出来なかっただろう。
これが私の愛し方。
20100212