今日の私のラッキーカラーはレモンイエロー。
最近私は占いにはまっている。
とは言っても、トレローニー先生のような占いではなくて、日刊予言者新聞の片隅に小さく載っているイニシャル別ラッキーカラー。
どうやら今日はレモンイエローらしい。
「うわ、どうしたのそれ」
「『うわ』とはまた失礼な。今日の私のラッキーカラーに向かって謝りなさい」
「えー、と、ナマエ?」
「なぁにリーマス。分かった、あなたも知りたいのね」
うきうきと手に持った予言者新聞をめくる。
「『L』の今日のラッキーカラーはねぇ…『ぶどう色2号』?なにこれ」
思いっきり眉を顰めるナマエ。そんなのこっちが聞きたいよ。
「ナマエ、今日一日中そのままでいるつもり?」
「えぇ!だってこれしかレモンイエローに該当するものが無かったんだもの」
残念とばかりに、髪を手に絡めてくるくるしている。
何時もならば可愛い、って思う仕草でも今日ばかりは目に優しくない。
「おっ、ナマエ、イメチェンか?」
「おはよう、シリウス。そうよ、素敵でしょ?」
「おはようナマエ。とても素敵だね。でもどうやらそう思っているのは僕達だけみたいだよ」
僕達。と言ってジェームズは自分とシリウス、そしてナマエを指差した。
「ナマエには似合わないよ、そんなカツラ。しかも縦ロールだなんて…」
(でもジェームズとシリウスは似合ってるって)
(あの二人は別なの。僕はそのままのナマエが好きなんだから)
(でもラッキーカラーなのに…)
(それなら僕がラッキーにしてあげるってば!)
(それにしてもよく持ってたね)
(今度のハロウィンに使う予定だったけど、ちょっと早めにデビューしちゃったみたい!)
◆ぶどう色2号
日本国有鉄道(国鉄)が定めた色名称の1つ。慣用色名称は「ぶどう色」。
20100205