「リーマス、これ借りてた本ありがとうね」

談話室で寛いでいた彼に声を掛ける。本を読む時の彼は眼鏡をかけていることが多い。別に視力が悪いとかでは無いと思うけれども、そんな彼に一々見惚れてしまうのはここだけの秘密。

「どうだった?」

「うん、最高に面白かった。リーマスが薦めてくれる本ってハズレが無いから安心して読めるの」

「そう。それは良かった」

笑って本を受け取る彼に、もう一度ありがとうと言って笑い返す。
本が好きなのは本当。リーマスのお薦めが面白いのも本当。だけど言ってない事が一つ。それは「あなたが好きだから追いかけたくなるの」の一言。
こうやってわざわざ彼に借りに来ている時点で下心なんて見抜かれてしまっているのだろうけど、それでも私はあなたに少しでも近づきたいから。

「次これ読んでみる?ナマエが好きそうな本だな、と思って」

今しがたまで読んでいた本を私に手渡す貴方に何時も勘違いしそうになる。



(その一瞬はあなたの中に私が居る事が分かっただけでも)

20100306


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