コツコツ、と窓を叩く音に目が覚めた。どうやら同室で他に起きた子はいないようだ。仕方が無いのでナマエはベッドから抜け出し窓を開け、フクロウを部屋の中に入れてあげた。

「おはよう、こんな朝早くからありがとうね」

首を掻いてあげると気持ち良さそうにホーと鳴いた。お礼に昨日の夜に広げていたお菓子をひと摘みあげると、嬉しそうに啄んだ。
運んで来たのは小さな手紙。ナマエへ、と書かれた綺麗な文字が差出人を思い浮かべさせる。

ナマエ、朝早くにごめんね。
もし起きているのなら東の塔に来てくれないかな?

たったそれだけ。でも彼が理由も無くこんな朝から呼び出したりする筈が無い。
さっとローブを纏い部屋を後にした。勿論フクロウは窓から帰してからね。



(君に一番に見せたかったんだ。まだジェームズ達には言っていないんだよ)

今日がまた生まれる日を君と。

20100218


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -