速攻でバレた2日目
もそもそと起き出すともう蓮二はいなかった。
テーブルの上の置き書きを見ると蓮二は部活に行ったみたいだ。それに、戸締まりはしっかりしろとか、火の扱いには気をつけろっていう注意も書いてある。むしろそっちの方が長かった。
私もう高校生だよ!
着替えてから、蓮二が作っていったご飯を食べる。やっぱり自分で作るよりも美味しくて、なんだか敗北感を感じる。ちくしょー!
何だかんだ言いつつ綺麗に完食し、食器を片付けてソファにもたれかかると、携帯が光った。
From 蓮二
Sub 無題
友人を連れて帰る。
部屋から出ないこと。
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マジか。
そんなに私と会わせたくないんだな。なんでこんなに邪険にされてるのかな私。とりあえず、
To 蓮二
Sub Re:
分かった!
帰りは何時?
------END------
またすぐに携帯が鳴る。
返信速いけど部活中じゃないのかな。休憩中とかだったら分かるけど。
From 蓮二
Sub Re:Re:
もう着く。
もし見つかったら
分かってるな?
------END------
ああ、ダメだ、鼻で笑われてる気がする。どうしよう。
うわ、足音けっこうする。これか! これか! 早く部屋入んなきゃ!
「まぁ入ってくれ」
「お邪魔しまーす」
「お邪魔するッス!」
セ、セーフ!危なっ。ちょっと遅かったら何されるか分かんなかったよ、よくやった、私。
「ん?柳、そこって何もないんだっけ?」
「ああ、物置になっている。前に見せなかったか?」
「そうだっけ?忘れたー」
「え、部長来たことあるんすか?」
「うん。前に1回だけ。ね、入っていい?」
え、ヤバいヤバいヤバい! やめて、お願いだから!
後で蓮二怖いから!
つーっと嫌な汗が流れたのが分かった。
「……構わないぞ」
な、んだと!?
隠れられないよ! え、どうしようどうしよう!
あたふたしているうちにドアが開いた。
「なーんだ、本当に物が無いんだね。あ、お姉さんの?」
「ああ。最近よく置いていくんだ」
「じゃあもう良いや!」
足音が遠ざかった。ホッとしてカーテンの中から這い出した。
もう、心臓止まるかと思ったよ。
ガチャッ
「……あ」
「あ、やっぱり」
え、ごめん蓮二! 見つかっちゃった! サーっと血の気が引く音が聞こえた気がする。絶対顔真っ青だ。いやでも不可抗力だ! 事故だから!
「……なまえ」
私、たぶん今日無事に終わりません。
なんで戻って来たの蓮二の友達……!