■ ■ ■

▽年越し


「みかん無くなったー」

「なまえみかんー」

「とってきたらいいでしょ。私さっき行ったもん」

「俺は寒い」

「こたつが俺を離さん」

「私だって寒いし。行かないからね」

「えー、じゃあじゃんけんしよーぜ！それならいーだろ？」

「２人してスルーしないで！寂しい！つーか、俺がじゃんけんめっちゃ弱いん知っとるくせに」

「よーし、やろうか！」

「理不尽じゃろ」

「いくぜぃ！じゃーんけーん！」

「「「ぽん！」」」

「よし仁王！潔く行ってこい！」

「いってらっしゃーい」

「ううっ、嫌じゃぁぁぁ！寒いの嫌いぃぃ」

「お前負けたんだから早く行けよ！」

「あーもう！分かったぜよ！」

「……なんか涙目だったね」

「あいつほんと寒さに弱いからな」

「あーそっか」

「お、もう帰って来た」

「さ、さ、寒かった!!」

「お疲れー。ダッシュしてきたんだね」

「感謝して。んでこたつ入るとこ無くなっとるんじゃけど」

「おー。サンキュー。気のせいだ気のせい」

「ありがとー」

「なんか最近俺に対する愛がない」

「気のせいだって」

「そうそう。ほら、みかん食べるんじゃないの？」

「食べるけども」

「あ！そろそろ時間じゃね？」

「おお、３分前じゃ」

「２人とも今年はありがとうございました。楽しかったよ！」

「なんだよ急に」

「終わる前に感謝しようかなと思ってさ」

「じゃあ俺も。俺に付き合ってくれてありがとさん。おまんらといる時が１番楽しいわ」

「な、なんだよ！お前ら！……ぐすっ」

「なまえ、なんかブン太感動しとるー」

「可愛い奴め！」

「っうっせーよ！」

「あ、さーん、にー、いーち」

「あけおめー!!」

「今年もよろしく頼むぜよ」

「シクヨロ！」

「うん！２人とも今年もよろしくね！」

「あ、夜明けたら初詣行こうぜ！赤也も誘って！」

「いいのぅ。さっそくペテン掛けちゃる」

「うわー赤也かわいそ」

「そうと決まればちょっと寝ようぜ」

「おやすみー」


騒がしく終わった１年。また騒がしく始まります。ああ、休む間もない！


(もしもし赤也？俺じゃけど)
(におー先輩？なんっすかこんな早くに)
(俺達と初詣行かんか？)
(達？誰がいるんすか？)
(俺だぜぃ！あとなまえ！)
(え、なんで一緒なんすか！ずるいッス！今すぐ行くんで！)
(あ、やっぱり場所聞かないで切りおった)