■ ■ ■
▽帰り道
「うあぁー寒いぜよー!」
「昨日初雪降ったらしいよ」
「はぁ!?ありえんー」
「そっか、仁王寒いのダメなんだっけ?」
「暑いんも嫌いじゃ。あ、花粉あるから春も」
「それ生きていけないじゃん」
「秋があるもん」
「(もんって……)」
「なぁ、そのマフラー貸してくれん?」
「やだ。寒くなるじゃん」
「俺が凍死してもいいんか!?」
「凍死って、大袈裟な。しょうがないなー。明日イチゴオレね」
「まぁそれくらいなら買ってやるぜよ」
「はいはい、貸してあげますよー」
「おぉーぬくぬくじゃー」
「マフラーないとすんごい寒いんだけど。やっぱり返して」
「無理」
「即答か」
「我慢しんしゃい」
「え、我慢するの私?」
「いいからいいから。右手貸しちゃるけぇ」
きゅん。なんというか、いろいろと持っていかれました。
(仁王君、私達もいること忘れてませんか?)
(しょーがないッスよ、なまえ先輩しか見えてないッスから)
(おーいなまえ!俺は左手貸してやるよ!)
(あ!丸井先輩ずるいッス!)