■ ■ ■

▽見送る


「今日で最後だね」

「……」

「行かないの」

「……」

「赤也!」

「……っんだよ!行きたくねぇんだよ!」

「寂しいくせに」

「悪いかよ!行ったら全部終わっちまうじゃんか!」

「私だって嫌だよ」

「だったら構うなよ!」

「無理!だって行かなきゃ絶対後悔する。それに赤也泣きそうじゃん!」

「そ、そんなことねぇよ!」

「嘘つき!」

「嘘じゃねぇって!」

「ふふっ。赤也、なまえ」

「「あっ!?」」

「全く、お前達は最後まで俺を怒鳴らせる気か?」

「大方、赤也が駄々をこねたんだろう。察してやれ」

「先輩達、どうしてここに?」

「そりゃあ、卒業式にも出ないで俺達を心配させてる奴を探しに来たにきまってるじゃないか」

「うっ。……すんません」

「お前には本当に手を焼かされたな。……俺達は先に行くぞ」

「うむ。さっさと追い付いて来い」

「待ってるよ、赤也。お前がもっと強くなって俺達の所に来るの」

「っす」

「なまえもね。赤也を支えてあげるんだよ」

「……ぐすっ……はい!」

「立海を任せたよ」

「「はいっ!」」

「よし、じゃあ戻ろうか。皆待ってるよ」



まだ少し冷たい風が運んできた春。私達の大切な先輩達は誰よりも輝いて、颯爽と立海を卒業していった。


((先輩達!!))
(どうしたんですか?)
(なんじゃなんじゃ)
((卒業おめでとうございますっ!!!!))
(……ヤバい、泣きそう。……ジャッカルが!!)
(俺かよっ!お前だろ!)
(ふふっ、最後まで変わらないなぁ)
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