■ ■ ■

▽誕生日


「なまえー」

「(ビクッ)な、なに?」

「え、なんでビビってるの」

「べ、別になんでもないよ!どうしたの?」

「そうそう!今日帰りさ、」

「あ、ごめん!呼ばれてたの思い出した!」

「そっか、俺は後でいいよ」

「(うわ、ごめん!ほんとごめん!)うん、行ってくるね!」



「……なんか寂しいなぁ」





「みょうじ、上手く撒いて来たか?」

「一応大丈夫だと思う」

「みょうじはけっこう抜けてるからなー」

「なんたってなまえ先輩ッスもんね!」

「ブン太、赤也?後で精市に言うからね」


「先輩、ほんとすいませんっした!」

「うむ、赤也は許してあげよう」

「はぁ!?俺は!?」

「許しませーん」

「お前達、その辺にしておかないと弦一郎に怒鳴られるぞ」

「全く、お前達は!」

「真田、そこまでにしんしゃい。俺はもうちょっと足止めしてくるぜよ」

「頼んだぞ仁王。さぁ、みんなも作業を進めてくれ」




「ブン太飾り足りない!」

「悪い、今作ってるから!……ジャッカルが!」

「俺かよっ!ちょっと待て……ほらできたぜ!」

「よっしゃ、これ飾れば完成ッス!」

「なかなかいい時間だな。仁王が抑え切れずに戻って来る頃だ」

「っ!さすがじゃの、参謀。後5分くらいでこっち来るぜよ」

「じゃあスタンバるか!電気消すぜぃ」





「あれ、みんなまだ来てないのかな……」


「(行くよ、行くよっ!?せーの!!)」

パーンッパーンッ

「誕生日おめでとう!!!!」

「せーいち!誕生日おめでとーっ!」

「部長!おめでとうございますっ!」

「みんな……!」

「幸村くん、泣いてるのかよー」

「なんじゃなんじゃ、そんな嬉しかったんかー?」

「だ、だって今日皆して俺のこと避けてるし、柳生とか蓮二とかメールくれるのにそれもないし!」

「すまないな。なまえに協力していてできなかったんだ」

「私もです。心苦しかったですが、皆さん楽しみにしておられたので」

「ごめんね、精市。びっくりさせたくて内緒にしてたの」

「俺寂しかったんだからね!……でもすごく嬉しいよ、みんな、ありがとう!」


「部長、ほんとにおめでとうございますっ!俺、部長に会えてよかったッス!」

「赤也……」

「みんな思ってるよ。精市生まれてきてくれてありがとう。私達と出会ってくれてありがとう!」



我等が神の子は寂しがり屋さんです。誰より強くて優しいのですぐにウルッとしちゃいます。



(また来年もみんなでいられたらいいなぁ)
(そうだね。いられるよ、きっと)
(なまえ、ありがとう)
(ううん。私こそ、出逢ってくれてありがとう)
(あ、そうだ、一緒に帰ろうね!)
(ほんとなまえには敵わないなぁ)
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