■ ■ ■

「……って寝られるわけないじゃろーが!あほか俺!」
「ん、……」
「……!」

あ、危なっ! 起こすところじゃった。落ち着け。何やっとるん俺。んで、何この状況。ていうかなんでここにみょうじさんがおるんじゃ。どこ探してもおらんかったんに。

「仁王」
「うわっ! 幸村!」
「しーっ、起こしちゃうよ。感謝してくれるとうれしいな」
「何を?」
「みょうじさんに仁王探しにいってもらったんだ。まさか2人して寝てるとは思わなかったけどね」
「……いつからいたんじゃ」

うーん、と首を傾げて顎に手をやる幸村は様になっている。みょうじさんが寝とって良かった。ほんと良かった。これ見て幸村のこと好きにでもなったら泣ける。
あ、考えたら涙出てきた。

「そうだ、仁王のツッコミが聞こえたあたりからかな?」
「……恥ずかしいんじゃけど。なんか用あるんじゃろ?」
「ないよ」
「は?用があるからみょうじさんに呼びに来させたんじゃないんか?」
「ううん。今日ミーティングだけだったし。2人になるチャンス作ってあげようかなーって」

サラリと言い放つ幸村。感謝しろってそういうことか。目線を下げるとよく眠っているみょうじさん。可愛い。いやいやいや、ありがたいけど心臓持たんし。

「せっかく時間あげたのに寝てるなんてね……」

背筋がぞくっとした。普通のため息なのに幸村ちょー怖い。あ、また涙出てきた。
俺だってもうちょっと頑張りたいとは思ってる。でも、いざ目の前になると頭の中が真っ白になってだめじゃ。

「すまん。ありがとう」
「うん。あ、ちゃんとみょうじさん送ってあげるんだよ」
「む、無理! 無理じゃ!」
「無理じゃない。やるんだよ。じゃあ俺は先に帰るね」

幸村は無茶なことを言って颯爽と帰って言った。
……どうしよう。確かに暗くなってきてるし、1人で帰すのは心配だし。ううっ、頑張らないといけない時が来たんか。……腹括るか。

「ふぅー……。みょうじさん、起きんしゃい」

任務開始ぜよ。
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