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▽幸村と丸井※ほぼ会話文



あの後戻ってきた幸村くんは上機嫌だった。

「なぁ幸村くん」
「なに?」
「とっくに知ってたんだろぃ?」

後ろを振り向くと幸村くんはただ曖昧に笑った。その顔が何よりの証拠だった。

「はぁ、丸井って変なところ鋭いね。そうだよ。俺、割と最初の方から気付いてたんだ」
「最初?」
「うん。それこそ仁王が自分の気持ちに気付く前くらいから」
「うわー、スゲーな幸村くん」

なんつーか、さすが神の子? 幸村くんに隠し事なんて無理だわ。自分が気付いてないことまで分かっちゃうんだもんな。

「それに仁王ってそういうのあんまり言わなかっただろ?」
「あー、確かに。」
「だからかな、なんか幸せになったらいいなって思うんだよね」

幸村くんはそう言ってまた笑う。なんだかその気持ちは分かるような気がする。

「で、そのためなら協力を惜しまない、と」
「うん。それにあたふたしてる仁王見てるのも楽しいしね」

ふふっと笑う幸村くん。ちょっと本当の目的が見えた。そうだ、忘れてたけど幸村くんてこういう人だったわ。
でもまぁ、俺も少しくらいなら協力してやっか。あいつ泣くとピヨピヨうるさいし。
あー、俺ってばやっさしー。


2016/07/25
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