あれから、幸村君はよく教室に来るようになった。
授業間の休みはもちろん、昼に至ってはちゃっかりお弁当持参で来る。
そのたびにすごいことになる。主に女子が。
あと、私の心臓も。

「みょうじさん」
「幸村君!」
「今からお昼?」
「うん、幸村君は?」
「俺も今からなんだけど、一緒に食べない?」
「え?」
「一緒に食べよう?いいよね真田」

どうしよう。うれしいけど……! いつも一緒に食べる友達は行ってきたらいいじゃん、とにこにこしている。

「俺は別に構わない」
「ね、行こ! じゃあみょうじさん借りるね!」

どーぞどーぞ、なんて私が困ってるの分かってるくせに!

幸村君達に連れられて、というかぐいぐい引っ張られてやっと着いたのは屋上。

「ぶちょー達遅いッスよ!」
「先に食ってるぜぃ」

そこには輪になって座るテニス部の人達がいました。

「ごめんごめん。ちょっと用があってね」
「用って、その後ろにおる奴んことかの?」

視線がぐっと集まる。どうしようもなく気まずいんですが。なんで連れてきたの幸村君!

もうほんと誰か助けてください。

連れて行かれました

- ナノ -