同級生銀土




「合言葉決めようぜ」
「は?」

暑くてうだるような真夏日に、アイス片手に彼が突然そんなことを言い出した
うちわをパタパタさせながら、合言葉ってなんだよ、と気だるげに尋ねると、彼は瞳を輝かせて言った。

「セックスだよセックス、俺と土方がセックスしたくなった時の合言葉!」
「はあ?!」

驚いた、なんてもんじゃない。扇いでいたうちわがピタリと止まって、一瞬にして気だるさが増した。なんてバカなことを言い出すんだ、こんなクソ暑い日に。軽蔑の眼差しをこめて彼を睨むが、彼はそんなのびくともしなかった。むしろ、さらに瞳の輝きは増していた

「モノに例えた方が、街中でも使いやすいよなあ」
「…おい、勝手に話進めんな」
「そうだな… あ、いいのがある!」

うーん、と顎に手を当てていた彼が、あるものを見た途端急に声色を変えた。暑さにやられたアイスがどんどん溶けていく。いっそこのバカでどうしようもない坂田の脳みそも溶けてくんねえかなあ

「パチンコしよう、でどう?」
「…」
「うん、いいねこれ、パの後に続く言葉がセックスを示してる!」

えへへ、とニヤニヤ笑いだした坂田は、もうほんとに気持ち悪かった。殴り殺したくなった。ああ。ガシッと肩を掴まれた。まさか。

「土方、パチンコしよう」

いわゆるパチンコしよう、の合図である手をクイックイッとさせるそれも、坂田が言った“合言葉”であると思うと、その手つきは厭にエロくみえた









あ、
110220



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