銀土




俺は今、叫びたい。叫んで叫んで、叫び続けたい。涙と鼻水でぐちゃぐちゃになったきったねえツラで、何度も何度も…



「うるせェェェ!!」

ぐずっずびっぶしゅー。鼻水を噛む一連の仕草を行っていたら、隣に座る彼が突然怒鳴った。机をバンッと思いっきり叩いて、わなわなと震えている、彼。ああ。

「迫力ねえなあ…」

いつもなら鬼の副長、と呼ばれるくらい恐ろしい彼なんだが、なんとも、今日はいくら怒鳴られてもまったく怖くない。むしろ、可愛いなあと思ってしまう。それに気づいた彼が、とても気にくわなそうな顔で舌打ちをして、そっぽを向いてしまった。ああ。

「しっぽ、揺れてる…」

そっぽを向いたのは残念なんだけど、その、彼のお尻から生えるはずないものがにょろっと生えていて、それがゆらゆらと左右に揺れている。気づいた彼は彼であたふたしながらゆらゆらと揺れるそれを隠そうとするしで、ああ、ああ。可愛すぎて鼻血まで出しちゃいそう。

「…見るにゃ」
「へ?」
「!?やっ、ちが、俺は別にっ、にゃあなんて言ってない…にゃあ」
「っ」

ついに語尾がしっぽ同様、猫化してしまった。にゃあ、だって、にゃあ、俺が叫び出したい気持ちがなんとなくわかってもらえただろうか!
もう何とも言えないくらい愛しすぎて、口元を手で抑えながら体が小刻みに震えてしまった。それを見ていた彼、土方は、顔を真っ赤にして涙目になっている。俺の小刻みな振動がうつったのか、土方もぷるぷると震えだした。

「もう嫌だ…にゃ」
「う」
「なんでいきなりこんな、こんなことに…」
「う」
「朝起きたらしっぽが生えてよ、徐々に体が猫になってくんだにゃ…、う、語尾まで猫化しちまってる、…うにゃ」
「…」
「俺、どうなっちまうんだ…」
「…り」
「?銀時?」
「もう無理ィィィ!!」
「ぅにゃっ!!?」

ガバァ、とぷるぷると震えていた目の前の黒猫に飛びついた。驚いた土方は受け身をとることができず、まんまと俺に押し倒されてしまった。倒れた瞬間も、にゃっと言う彼にもう我慢してた理性は吹き飛んでしまった

「ちょ、銀、なにっ…」
「土方おま、可愛すぎなんだよな…銀さん抑えきれなかった」
「は、可愛いって…、?、ぎ、ぎん、…」
「気づいちゃった?…もう爆発しそう」
「ま、待て!まて、銀時、落ち着…あっ?」

びくん、と暴れていた土方の体が大きく揺れた。ペロペロと猫のように首筋を舐めてやれば土方はまた小刻みに震えながら喘ぎだす
その喘ぎもやはり、

「ふ…、ぅ…にゃ」

猫化してるわけでありまして。

「ちょ…、銀さんもたないかも」

普段から可愛いこの生き物が、猫になることで可愛さが更に増してしまっている。ギンギンになった俺の息子も、意識をしっかり保ってないと暴発してしまいそうでありまして…とにかくもうこの子猫ちゃんを喰ってしまいたいわけでありまして!

「…いただきます」
「やめろォォ!!」


俺の息子の元気具合に驚いた。彼の声が枯れるほど喘がせ続けた今日は、彼の可愛さに魅了され続けた1日でした。

ん?今日って、2月22日?






殺性力100%
110222

(にゃんにゃんの日)





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