銀土 死
例えば俺が、おまえより先に死ぬとする。
そしたらおまえは、俺の為に泣いてくれる?
俺の為の涙を、流してくれる?
「…愚問だな」
は、と笑いながら彼は紫煙を口から吐き出す。その煙は開かれた窓からゆっくりと空へ吸い込まれていく。
群青色に混ざるそれは、とてもとても綺麗で思わず涙が出た。
「…だよね」
くす、と笑って、シーツを体に纏い、窓側にいる彼の傍へと歩く。月明かりに照らされた彼の横顔は、いつになく綺麗で少し切なくなった
俺が死んだらおまえは、俺の為に泣いてくれる?
俺が死んでもおまえは、俺の為に生きてくれる?
俺が生きるなら、おまえは俺の為に生きてくれる?
彼はまた笑って、
「愚問だな」
と一筋の涙を流した
(俺が死ぬまで後1時間)
君の手で世界は終わる
110221
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