銀土
彼に、此処にいる理由はなにか聞いてみようと思う。
なぜ、おまえは、毎日、ここに。
深呼吸しようとして間違えた。煙草をくわえたまんまだった、見事に咳こんだ。
彼はその咳に驚いて、こっちに顔をむけた。そして笑って、何やってんの、と言った
その笑顔が陽射しを浴びて綺麗にみえたのは、暑さに俺の脳がヤられたからだと信じたい
「言いたいことはわかってるよ」
は、なん、
「なんでって言おうとしたでしょ、今」
な、
「お見通しなんだよ」
ふ、とまた彼は笑って、
「お前のこと好きだから」
あああ彼の脳も暑さにヤられてしまったらしい
すっかりナニを聞こうか忘れた俺は、ただただ彼の顔が近くなるのを黙って見つめていた
理由はそれだけ
110220
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