「たいちょ〜」
「んー…何でありますかー?」
「好き、だぜぇ〜」
「……はい?」
ケロロとクルル、2人でぼんやりとパソコン画面を見ている中いきなり伝えられた愛の言葉。
ケロロは驚いて目をぱちくりさせ、今のは自分の聞き間違いかとクルルに聞き直す。
「今何て…?」
「だから〜隊長のこと好きっつってんだよ。」
「………ゲロォ!?」
……聞き間違いではなかった…
ケロロは驚きのあまり奇声をあげて顔を真っ赤にする。
――く…っクルルが…我輩のこと好きだって!?
今までそんな素振り全く見せなかったのに…!?――
クルルに対して淡い想いを抱いていたケロロにとって、とても嬉しい言葉。
だがあまりに急すぎて頭が上手く回らず言葉が何も出てこない。
ケロロが1人あたふたしていると、してやったりとクルルはニヤリと口元に嫌な笑みを作る。
「なんつって〜嘘だっつーの〜ククーッ!」
「…………は??」
その一言で今まで慌てふためいていたケロロの動きがぴたりと止まる。
「……嘘?」
「そ、嘘」
まさかの「嘘」だった…という発言でケロロはあり?嘘だったの?とガックリとする。
「相手がいい気になった所を一気に落とすのがちょ〜クール!クックックーッ!」
思い通りに騙せたことに喜ぶクルルだが、勿論騙された本人は全く面白くない。
クルルが自分の気持ちに気付いているのかは分からない。
だが、ケロロは自分の気持ちを弄ばれたようでイライラを抑えることができなかった。
「……クルたん?」
「ん〜?って、え、ちょっ!たいちょっ……んんっ!?」
名前を呼ばれ振り向くと覆い被さるように重ねられた唇。
「ふ…っうん……」
いきなりキスをされ驚いたクルルは目を白黒させ、焦ってケロロを離れさせようと押すが手に力が入らない。
「…………っ……ふっ」
クルルが息が出来ないとケロロの胸をドンドン叩くとようやく唇が離れされた。
「……っは、てめ…っ何しやがる!//」
顔を真っ赤にして抗議するクルルだが、先程とは打って変わって意地悪そうに笑うケロロを見て思わず口を閉じる。
「あまり年上をからかうものじゃないでありますよ?…クルたん?」
「…………っ!//」
いつもとは違う雰囲気のケロロに何も言い返すことは出来なかった。
そんな彼に少しときめいてしまったりもして……
END.
――――――――――――――
―何顔赤くしてるの?あぁ本当に我輩のこと好きなんでありますか?
―うっせぇっ!!
完璧にケロロのペースに飲まれてしまったクルルであった。
たまに降臨、ブラックケロロ。