ぽかぽかとした暖かい午後の授業。
「……だから、敏夫に言い寄られた時の人妻の心情はだな………」
担任である銀八がいつもの如くダラダラと授業を行っている。
昼休み後の授業のため満腹感からということもあり、うつらうつらとしている生徒も何人かいる。
そんな心地よい中……
河上万斉はヘッドフォンから流れる軽快な音楽を聴きながら、ぼんやりと隣の席の恋人を見つめている。
恋人、高杉は腕を枕にして
机に頭を伏せて寝ていた。
細い肩を上下させ、小さな寝息を立てている。
…可愛いでござるなぁ
心の中で呟き独り頬を緩める。
しばらく見ていると
寝返りを打ち万斉の方を向いた。
あっ…赤くなってる。
長い間顔を伏せて
腕に押しつけていた頬は
熟れた丸い林檎のように
赤くなっていた。
ふふふ、やはり可愛いでござるなぁ
・
・
・
・
・
「…土方さん。何ですかぃ?あの甘ったるい空気は?」
「…ほっとけ」
END.