◆ENDLESS
「え?総士くんのこと?」
「そうそう。小春ちゃんはどう思ってるの?」
女の子がそろえば、というのだろうか。さっきから仕事をサボってそんな話ばかり。
いや、まぁ、そんなに忙しくないからそんな話をする余裕があるんだろうけどさ。
色恋沙汰に興味のない私は話についていけずに半ばうとうととしていたところを、恋愛に奥手な真矢ちゃんが苦し紛れに私に話を振ったのだ。
大体、私が興味あるのはマンガやアニメといった二次元の人たち。現実の男に興味なし。
こうして異世界というか、異次元トリップというかをしてからというもの、萌えばっかりを一生懸命に探していて、恋しているとはとてもじゃないがいいがたい。
っていうか、恋なんかして楽しいかい?翔子ちゃん。
「いつも見てるけど、好きなんじゃないの?」
「う……うーん、どうだろう」
見てるのは見てる。
私はファフナーのことをDVD一本分しかしらないので、実際今の進行具合だってわかっちゃいない。
でもたぶんっていうのだろうか、記憶の限りでは第三話のなかっちゅーかなんちゅーか……
とりあえず私の配属は真矢ちゃんと翔子ちゃんと一緒。
なんだけど!
……総士くんのお父さん曰く、ジークフリード・システムのサポートなんとかができるみたいだからその勉強がなんたらかんたらと今日に至るまで結構たつけど一杯勉強させられました。
でもさっぱりで、総士くんほど使いこなすことなんて無理です。ていうか、無謀です。私はびっくり人間じゃないんです。ごくごく普通の女子高生なんです!!
年まではなれちゃってる私ですが、総士くんと一騎くんの間にはきっとなにかあると信じて止まない。「ていうか、なにかあれ」と思ってしまっているので、いつも見てます。
そうそう、ちなみに年は16歳、ぴちぴち現役。のくせに学校に行かず(ていうか、高校がないらしい)にいつも皆城パパの元働いておりました。パパ死んじゃったけどね。
とりあえず、いつ由紀恵お姉さま(年上は全員お姉さまよ☆)に寝首をかかれるかとびくびくしておったのですが、どうやら気に入られたようです。(なぜに!?)
「でも、一騎くんも見てるわよね。小春〜♪」
「あはははは」
ずばりするどい指摘です。弓子お姉さま。
でもね、私が見てるのは恋愛とかそういうのは関係ないのよ。
二人ができてるか、できてないかどうかという真相が知りたいあまりに見てるだけなのよぉ!!!
「本当のことをいいなさーい」
「いやぁ……弓子お姉さま。なんですか?そのポーズは」
ちなみに、にじり寄るのは弓子お姉さまだけでなく、悪のりした真矢ちゃんも。
「くすぐりの刑開始!!」
「開始!」
「うぎゃー!!!翔子ちゃん見てないで助けて!!ヘルプ〜!!!」
「ごめんなさい」
「ひぎゃあぁぁぁぁぁ!!!!」
暗転
乙女の悲鳴とは思えない悲鳴をあげつつ、私は二人の魔の手を逃れようとした。
したけど……
「うぅ……私もうお嫁にいけないっ!」
「なにふざけてるんだ?」
「あ、皆城くん。あのね、小春さんが……」
「あぁぁぁ!!や、やめてちょうだい翔子ちゃん!!」
慌てて翔子ちゃんの口を押さえた私だったけど、その後ろで弓子お姉さまと真矢ちゃんがにやりと笑う。
「一つ屋根の下の総士くん。それとも家庭的な一面で仲のいい一騎くん」
「どっちが好きか白状しちゃえ〜」
「いやぁぁぁぁぁ!!!」
悲鳴を上げて誤魔化すけど、誤魔化しきれなかったらしい。
うおぅ、赤くなっちゃって。可愛いのう。……って、赤くなりたいのはこっちだっての!!
「俺だといいな」
「きゃぁ!総士くんからの告白!?」
「わ、私は……」
「おぉ、返事!?」
「真矢ちゃん、弓子お姉さま。合いの手を入れるのはやめて」
「「はいはーい」」
さすが姉妹。仲良く私に精神攻撃を与えてくるわ。
「私が二人を見てたのは、総士くんと一騎くんができてるようにしか見えないから!」
その場がぴしりと固まる。
「あ……」
あぁ、言ったらすっきりした。
って、そういう場合じゃない。おもわず本音が飛び出してしまった。
冷静になったはずが、パニックになってた!?(いや、はじめからパニックだよ)
「えぇ!?そうだったの!?」
「ち、ちが……」
「一騎くんといつも一緒だし、一騎くんは一騎くんでいつも総士くんのことを遠慮がちで見てるし……てっきり……」
「誤解だ、小春!」
「そんなこと言って、デキてるんでしょ、あんたたち」
ずびしと総士くんを指差す。
もうこうなりゃ開き直りでごまかすぞ。脳内パラレル飛び出せ妄想&暴走!(え?)
「私知ってるんだから!総士くんのその傷は痴情のもつれからできたものでしょう!?」
「だから違うって。ていうかどこからそんなことが出てくるんだ」
本当はわかってるよ。そんなことでできた傷じゃないってことは。
でもさ、私の妄想は日々の鬱憤を込めて炸裂したら止まらないのよ!(泣)
「あれ、なにしてるの?」
なんとも妙なタイミングでこの場に一騎が現れる。
その後ろには甲洋くんの姿もある。さては、翔子ちゃんに会いにきたなぁ?
「一騎!!」
「な、なんだよ総士。怖い顔して」
初めて見たときから思ってたよ。一騎はへたれだって。
だって、アスランとキラの子供みたいな顔してるんだもん!(訳:アスランのへたれとキラの受けくささを引いてる(断定))
「君の所為だ」
「え、なにが?」
「一騎くん、小春が総士くんは一騎くんとデキてるから付き合えませんって言っちゃってるのよ」
いや、そこまで言ってないよ。弓子お姉さま。
「デキてる?」
「付き合ってるってさ」
「えぇ!?」
「災難だな、総士も一騎も」
甲洋くん。君、さらりと自分の愛のためにひどい人になったね?
「せっかくの告白が台無しだ」
「告白!?あれほどのこと抜け駆けするなって言ったのは総士だろ!」
「先に言ったのは小春だよ」
「正しくは遠見姉妹が勝手に……」
小さく付け足すけれど、あえなくスルー。
「小春、本当なのか!?」
「私は言ってない」
「私たちが言ったよ」
「真矢ちゃん煽らないで!」
「えぇ〜?だって、煽った方が楽しいじゃない」
「やめてください、弓子お姉さまも」
私が遠見姉妹に気が行っている間に、総士くんと一騎くんの喧嘩はヒートアップしていく。
「だから、もう小春は俺のもの」
「総士のじゃないだろ!」
なんか取っ組み合い始めそうですよ?
「ねぇ、あの二人なに争ってんの?」
「「「「小春(ちゃん)のことでしょ?(だろ)」」」」
「……えぇ!?やっぱり総士くんと一騎くんはできてるの!?」
「「何でそうなるのよ(なるんだよ)!!」」
真矢ちゃんと甲洋くん息合ってる☆じゃなくて、
「だってそうでしょ?否定しないし……」
喧嘩しながらもこっちの会話も聞いていたのか、総士くんと一騎くんが微妙に不安そうなっていうかなんていうかって表情をしている。うーん、複雑?
「俺は小春が好きだって言ったよね」
「いつ?」
「俺だといいなっていったとき」
「あれ告白なの?」
「告白のつもり」
「……つかぬことを聞きますが、総士くんが私に?」
「そう」
「……………えぇ!?」
すっとぼけて見たら本気だと判明!?
てっきり冗談だと思ってた。
「おそいよ、小春ちゃん」
「俺のほうが小春のこと好きだからな」
にっこりと微笑んで私の手をとる総士くん。
すいません。腐女子なので、そっちの線は本気に考えていませんでした。
「俺のほうが先だ!」
「後とか先とか関係ないよ」
いや、たしかに最初にあったのは一騎くんだけど、そういう選択は……ていうか、今翔子ちゃんを振り返るのが怖いんですけど!!
「大丈夫か?」
喧嘩を再会した二人をさして気にせず、甲洋くんが声を掛けてくれる。
「……たぶん」
二次元の男じゃないとだめかと思ってたけど、生の男もいいかもしれない。
「「問題はどっちを選ぶか」」
「!?」
「だよねーv」
にやりと笑った真矢ちゃん。そして手と手を取り合う弓子お姉さま。
んでもって静かに微笑んでいらっしゃるけどとっても怖い翔子ちゃん。
怖いっていうか、何も言えずにぽかーんとしていると弓子お姉さまが私を抱きしめる。
「やーんかわいいー。総士くんや一騎くんのところじゃなくて私のお嫁にいらっしゃい」
「いくー☆」
「「えぇ!?」」
「冗談だよ」
私が答えを出すまで総士くんと一騎くんの争いは続く。
ちなみに、今現在、総士くんリード。かな?
⇒あとがき
して、これは何でせうか。とりあえずファフってみました(?)
ちなみに今加筆した08'年02月現在でもDVD1巻しか見ていません。
ワケのわからない文章ですが、どうかお許しください。
20041116 カズイ
20080217 加筆修正