◆白い光

 闇の中で生まれ、闇の中で生きてきた。
 そんな殺人鬼。

 人の手のぬくもりなんて、必要ない。

 それなのに

「ざ、ぶ……ざ……」

 冷たくなる手。
 どうしてこんなに苦しいのだろう。




 こんな感情、



 存在しなかったのに。




「だぃ……す、き……」
 へらっと笑う笑顔。



 もう見れないと

 それだけのこと。



 死。



 どうして彼女だったのか。
 どうして自分ではないのか。

 逝ってしまう。
 逝かないで。

 深遠を明るく光を照らして突然消えないで。
 闇は一層濃くなってしまうから。

「……小春」

 ぽつりと呟いた言葉は真っ白な雪に溶ける。
 いずれ出会う傀儡にもよく似合う。






 純白の白。



⇒あとがき
 また死にネタ。
 最近死にそうな私です。
20060602 カズイ
res

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