◆落ち葉

 パキ、パキ、パキ、パキ。
 歩くたびに乾燥した落ち葉が砕ける。
「ふふ」
 クラスで隣の席で、幼馴染の一輝ちゃんいわく、キショイ笑みを慌ててこらえ、作業に戻る。
 不意に立ち止まって持っていたビニール袋に綺麗な腐食していない落ち葉を入れる。
 一応部活動なんだよね。
 私は美術部だから、これを使って、明日は絵を描こう(?)ってわけ。
(でも楽しい〜)
 気がつけば、泥門の徒歩通行圏外……っぽい。
「はわ〜、帰り道覚えてるかなぁ……」
「迷子か?」
「はい、迷子みたいです」
 そこまで答えてはたとした。
「どちらさんで?」
「進だ」
「……………」
 か、会話が続かないよぉ〜。
 ヘルプミー、アイシールドさーん!(練習中じゃん!)
「アイシールド21?」
「ほへ?」
「今言っただろう」
「うっそ〜!!」
 思ってたことすべて口に出てました!?
 進さんはこくりと頷いて同意する。
 うわーお。あんびりーばぶる。
 一輝ちゃんが私の考えがわかるのはこの所為だったのかなぁ?
「泥門の生徒なのか?」
「はい。一応美術部と兼任でアメフト部の二号やらせてもらってます。飯島小春です!」
「……二号?」
「マネージャー二号です」
 進さんは黙り込んでしまい、私もどうコメントしていいのやら。
「送る」
「へ?」
「泥門まで行けばわかるだろう?」
「はい。私の家、こっちの方向だと逆方向ですから」
 自信満々にいうと進さんは少し驚いた顔をしたが、私に背を向けた。
「どこ行くんですか?」
「泥門だろう?」
「……あ、そっか」
 さっきまで走ってたのに、私のペースに合わせて進さんは歩いてくれた。
 あう〜、すいません。
 泥門につくころには夕日がしっかりと浮かび上がっていて危ないって言うんで、家まで送ってくれた。
「重ね重ねすいません!!」
「気にするな」
 びっくり。
 進さんが笑った〜!!!
「あ、あの。今度お礼がしたいんです。名前と学校教えくれませんか!」
 ナンパっぽいけどこの際気にしちゃいけません。
「進清十郎。王城だ」
「王城……、進さん……、ほわー!!アイシールドさんのライバルさんです〜!!」
 でもでも〜!!
「次は一輝ちゃんとアイシールドさんが勝つのです。じゃ!」
 宣戦布告なのです。いろいろとねv
 私は、落ち葉の入った袋をかさかさと揺らしながら家の中に走ったのでした。
 二階に上がって、自分の部屋から窓の外をみると、ようやく走り出したらしい進さんがみえました。
 また、会えるのです。そのときまでココロの整理をつけるのです!



⇒あとがき
 電波娘風。
20040829 カズイ
20070326 加筆修正
res

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